マダムと女将…そして奥さん
フレンチのサービスを支えるのは「マダム」、日本料理では「女将さん」、そして洋食店は…ないなあとかねがね思ってます。
私には忘れられないマダムと女将さんとの出会いがあります。
今から20数年前、私達夫婦は、神戸に転勤となった友人夫妻を訪ね、フレンチの名店「コム シノワ」で食事をしました。
夕方の一番早い時間に着席していた私達のところへ、店の奥からマダムが、さっと上着を羽織って出ていらっしゃり、ご挨拶。
私は「うわぁ、かっこいいなぁ」とすっかり見とれて…。
コム シノワで何を食べたか、今となってはさっぱり覚えてないけど、マダムの颯爽とした姿は「私もあんなふうになりたいなぁ」と憧れでした。
うちのシェフはさすがに、「海の幸の冷製コンソメ」が特に印象的だったとのこと。
ほかに「アナゴのソテー」も美味、ワインはブルゴーニュの「オークセイ デュレス」の赤と白を飲んだと言ってます。
そして女将さんはと言えば、静岡県島田市の郊外にある蕎麦の「宮本」。
重厚ながら、しゃれた店の中に、いつ訪れても味にぶれのない蕎麦とつゆと天ぷらなどのお料理。
まことに自然体の女将さんが、それらを運び、お客様にそれとなく気を使い、店の奥にもタイミングを 図ってらっしゃる姿に、いつも感服しています。
ゆったり、くつろがせていただき、女将さんとの何気ない会話が楽しみでもあるお店です。
かねがね、素敵だなと思っているお二人を紹介させていただきました。
さて、洋食店でサービスを担当する私には日本語として、決まった名前がないように思います。
「ママさん」と呼ぶ方あれば「女将さん」と呼ぶ方人あり、「マダム」と呼んでくださったり、一番多いのは「奥さん」でしょうか。
同じように調理を担当しているシェフにも、なかなかピッタリくるものはありません。
私達は呼びやすいので、英語で「チーフ」と呼んでいます。
日本に洋食が紹介されて100年以上、日本独自のスタイルを築いていると思います。
そろそろピッタリくる呼び名があってもなと思いつつ、仕事 してます。
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