得意な料理はと尋ねられ
何年か前、子どもがまだ学生だった頃、「お母さんの得意な料理はなぁに?」と
尋ねられ、迷わず「お好み焼き」と答えました。
私の意外な答えに、娘は唖然。
「えぇ、そんなぁ。黒豆の赤ワイン煮とか、野菜のマリネとか、鶏もも肉のシチューとか、お母さんしかできないものあるでしょう」と言われ、
ああ、そんなのもあるなぁ、でもやっぱりお好み焼きやなぁと思ったこと思いだします。
大阪だけでなく、関西人は、お好み焼きやたこ焼きが大好き。 学校の前や街のどこかには必ずお好み焼き屋があって、 なにかあると集まる場所になったり、家庭でもよく作りました。 土曜のお昼、学校から帰るとお昼ご飯がたこ焼きだったらすごく嬉しかったりもしました。 自分で作るようになって、キャベツをすごく細切りにするとフワッとしたお好み焼きが できることを発見。 それ以来、キャベツはできるだけ細く、小口切りのネギ、もちろん山芋も入れ、 フワッとした生地にこだわっています。 最初、半面は蓋をして、ひっくり返したのちは蓋を取り、カリッとさせるのもコツかな。 作るのは冬場なので、お肉やイカのミックスの後、 2枚目はカキとキムチをいれたものを作るのもお気に入りです。 昨今の言葉で言えばソウルフードっていうんかな? そんなしゃれた言葉はしっくりこないけど…。 何より、家族そろってあったかいホットプレートを囲むのが楽しかったのかもしれません。 今では、家族全員がそろうのが難しくなり、今冬はまだ一度も作ってません。 写真は私の母の台所です。きれいに並べられた道具は、 みな長年使われてきたものばかり。 鉄製のへら(これでお好み焼きをひっくり返してた)、左下の水色のアルミの計量カップ、 牛乳の栓抜きなど、私が子どもの頃からずっと使っているもの。 右下の茶こしは、私が結婚後送ったもので、30年近く使ってくれてるのでしょうか。 「なんでも丁寧に使えば長持ちする」は母の言葉。 母は77歳の今も毎日、この台所で丁寧な暮らしを守っています。