No.255 春の香り、若竹煮
土曜の夜、帰宅すると、友人からタケノコが届いていました。
ご主人の勤務先が三重のタケノコの産地で、毎年掘りたてを米ぬかとともに、
届けて下さいます。
メールには、ご主人は昨日、退職され、今年が最後のタケノコになるとのこと。
考えてみると、かれこれ20年近く、毎年タケノコをいただいており、驚きです。
最後とは、私まで、ちょっぴり寂しく感じました。
その日は、翌日の賄いを作り終えると、午前3時。さすがにタケノコは茹でられないと、
寝ることにして、翌朝、出勤前に大鍋を出しました。
剥いた皮はかさばるけど、タケノコはとにかく茹でて、冷ましておけばよいこと。
そのまま出勤して、帰宅後に若竹煮を作りました。
柔らかく、甘味があり、少し残ったアクが春を感じさせる一品。
帰宅したシェフがビールを開けたので、作りたてを出すと、
「うーん、幸せを感じる味わい。そうだ!昔、船場吉兆で食べた味。
こういうのがおいしいんだよね」と大変、感激。
まあ、今はブランドに傷がついたとはいえ、
先代の頃の確かな味の船場吉兆と比べられては、
私も恐れいりました。
ここは素直にタケノコの実力を認めましょう。
残ったタケノコで、次はタケノコご飯です。届けてくれた友人に感謝。
そして、長年のお仕事を終えられたご主人、ご苦労様です。
このところ山菜類も豊富に出回り、春!私は特にわらびが好きで、
2週連続わらびを煮ました。わらびもタケノコ同様、
アク抜きのため、鍋に並べてから重曹を振りかけ、熱湯を回しかけて、
冷ますだけ。冷めたら、鰹節やお揚げさんと炊いて、トロンとした味わいを楽しみます。
タケノコは米ぬか、わらびは重曹とアクを抜くものが春先に出回るのは、
冬のあいだにたまったものの解毒作用があるからとのこと。
積極的に取り入れています。
ところで、宮崎に住む友人から、
以前「あくまき」というお菓子をいただいたことがありました。
それは、アク抜きに使う灰汁にもち米と笹を漬け、
笹に詰めたもち米をこれまた、灰汁で煮たもので、ういろうや、
ちまきのようなものでした。
わざわざアクをまとったもち米は滋味深く、何より日持ち好く、
昔の人の知恵に感服です。
宮崎方面では、端午の節句に「あくまき」を食べるそうですが、
調べてみると、日本各地に同じようなお菓子がありました。
食文化の懐は深いものですね。
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