No.301 いのち
朝、花に水をやろうと散水栓に手を伸ばし、目を見張る。
コンクリートでま四角く区切られたこの空間のどこから種が入り、
この隙間のどこに太陽の光が届いたのか。
水はきっと、ほんの隙間にも染みこむことでしょう。
でも、この生命力。一週間でここまで育ったけいとうの花。
こぼれ種でどんどん増えていくので、ひっこ抜いている。
でも、このけいとうはちょっと抜けないな。
昨日帰宅後、台所で食器の洗いものをしていると、視界に何か動くものが。
なんとハンドソープのポンプの上にバッタの赤ちゃんがしがみついている。
何かにくっついて入ってきたのか。
こちらも我が家の庭の葉っぱを食いちぎる、憎らしいやつ。
今年は香りの強いローズマリーもやられた。
でも、庭で出会っても彼らはすばしっこく、
ぴょんぴょん、私の見えないところへ飛んでいってしまう。
ポンプ上のバッタは、ビニル袋で捕獲。
2cmほどの赤ちゃんバッタはひねりつぶすこともできず、庭にも放せず。
しばらく眺めた後、近くの公園の植え込みに放してきた。
散水栓の周りには、けいとうの他にも、千切れ落ちたセミの羽根、
せわしく、動き回るアリなど、ちいさないのちの営みを感じました。