No.371 結婚おめでとう
先日のお休みは、私方の親族の結婚式に家族そろって出席しました。
仏前での勤行の後、場を景勝地嵐山に移してのごく身近な方だけの食事会。
私も久々に着物を着て、気分一新でした。
それぞれにかけがえのない人生を別々に歩んできた二人が、
今度は同じ屋根の下に暮らす不思議。決して若くはない二人の再スタートですが、
皆さんに祝福され、温かで和やかな会になりました。
私が大切にしている詩、時々立ち返り、読みなおす、そんな詩の中から、
今はほとんど忘れられた農民詩人、真壁仁さんの「峠」と言う詩を送りたいです。
峠 真壁仁
峠は決定をしているところだ。
峠には訣別のためのあかるい憂愁がながれている。
峠路をのぼりつめたものは
のしかかってくる天壁に身をさらし
やがてそれを背にする。
風景はそこで綴じあっているが
ひとつを失うことんなしに
別個の風景に入ってゆけない。
大きな喪失にたえてのみ
あたらしい世界がひらける。
峠にたつとき
すぎこしみちはなつかしく
ひらけくるみちはたのしい。
みちはこたえない。
みちは限りなくさそうばかりだ。
峠のうえの空はあこがれのようにあまい。
たとえ行く手がきまっていても
ひとはそこで
ひとつの世界にわかればならぬ。
そのおもいをうずめるため
たびびとはゆっくり小便をしたり
摘みくさをしたり
たばこをくゆらせしたりして
見えるかぎりの風景を眼におさめる。
仏前での結婚式は指輪交換ではなく、念珠交換をします。
芳名帳の前、厨房スタッフのKさん作のカービング作品が花を添えてくれました。
テーブルに用意された献立の始めの八寸には一枚一枚、
絵や言葉が違う女将さん作の掛け紙、素敵でした。
掛け紙を外した八寸。実はこの中に珍味中の珍味が入っていて、
一緒に座っていたシェフのボルテージが一気に上がりました。
次回は、その珍味のお話しです。
かってながら、1月30日は、ランチ、ディナーともにご予約満席となっております。
よろしくお願いします。
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