No.409 人ごととは思えない
店の定休日に京都の実家へ帰りました。
父の90歳の誕生日も間近で、みんなで食事する約束を楽しみに、出かけました。
高齢の父と母は会うたびに弱ってはいますが、回りのみんなのサポートもあり、
なんとか暮らしている様子。
母はよろよろとしながらも相変わらず、料理に手抜き無し、
父もなんでも食べられます。
そんなわけで、かかりつけの医院の横にある、
気軽なイタリアンを予約してくれていました。総勢8人。
店の前までいくと、先客で結構混んでいる様子。
さして大きくない店に入れるのかな?と思っていると、案の定、予約が入ってないと。
そんな~。予約の電話の時に取ったメモもこちらにはあり、おかしいというと、
お店の人も、はっと気づいた様子。そこで出た「いつもは暇なのに、今日に限って。
ごめんなさい。」の一言。私はとても人ごととは思えませんでした。
そして、母の言った次の一言。「別に少し待ってるからいいですよ」にまたぐさり。
お母さん、2時間は空きませんって。
お客様の善意のつもりの一言、こたえますねぇ。
完全に店側のミスながら、先に入っている方を追い出す訳にも行かず、
その場で予定変更。
結局、和食のチェーン店になりました。
「タクシー代くらい出してもらわんとね」と言ってると、店側からタクシーを呼び、
代金は払いますと申し出がありました。この間、約20分ほど。
シェフはこちらを見向きもせずに、ひたすら料理を作り続けてました。
2人で切り盛りしている店のほぼ満席に近いとき、
一人が対応に追われたら、どんなに大変か、分かるだけに、
自分のいろんな失敗を思いだしながら、
がんばれ~、若いの、と応援している自分がおかしくもありました。
最後は誠意のある対応が一番大切と、改めて知らされました。
場所を移しかえ、やっと乾杯をしたのは約1時間後。
楽しい食事のひと時を過ごせて、やれやれでした。
北海道のとれたて、アスパラガスをいただきました。
茹でただけのアスパラ、草の匂いがプーンとして、噛むと甘さが弾けました。
土と太陽と水の恵。キチンと作られたまっすぐな味に感動しました。
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