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2015年7月18日 (土)

No.423  やさしく、やさしく

コーヒーをハンドドリップでいれる時、そっとお湯を注ぐ。

やさしく、やさしくね。

お客様から注文を受けた生ビール。急ぐけれど、レバーはやさしく、

やさしく、そっと引いて。

柔らかい食材、例えばトマトを切る時は、やさしく、やさしくね。

もう少し固いキュウリを切る時だって、やさしく、やさしく。

うんと固い、カボチャやニンジンは、少し力がいる。

それでも最後の少し手前は、やさしく、やさしく。

魚や肉、それぞれ、固かったり、柔らかかったり。

それぞれに、最後はやさしく、やさしく。

やさしくするのには、理由がある。

コーヒーは荒っぽくお湯をいれると豆が踊り、香りが全部逃げちゃう。

コーヒー豆を驚かせないように、やさしく、やさしく。

生ビールもはやる気持ちは抑えて、静かに注ぎ出すと、

跳ね返らず、固い泡がビールの香りをきちんと閉じ込めてくれる。

そっと、そっと。

トマトもキュウリも、力を込めると、繊維が壊れて、汁が出る。

形が崩れ、みっともないし、美味しくなくなっちゃう。

固いカボチャやニンジンには、力が必要だけど、

力任せに、最後まで行っちゃうと、切り口がいびつになるし、

下手をすると、自分自身を傷つけてしまう。

デリケートな、それぞれの魚や肉にも、

対象を見極めた力の入れ加減がある。

何百回、いや、何千回とコーヒーをいれ、ビールを注ぎ、

トマトを切っているのに、うまくいくときと、うまくいかない時がある。

繰り返しの日々。その中で、相手を見極め、

力の入れ方を知らず知らず学んでいる。

コツは、そっとやさしく、やさしくね。決して相手を驚かせないよう。   

私の家庭用に、シェフが業務用包丁を買ってくれました。

渡す時、一言、「気をつけて使ってね」、と。




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