NO.448 ああ、ブッショネ (ワインのお話)
先日お客様のリクエストに沿うものをと考え、開けたスペインの赤ワイン、
ガルナッチャ。(フランスではグルナッシュ)。
念のために5ccくらい味見をすると、ああ、ブッショネ。
ワインにコルク臭が移り、飲める状態ではありませんでした。
残念だけれど、この瞬間に1本はパアです。
ブッショネになったワインは、
まず栓を抜く時にジュクジュクしていたりして怪しいことが多いけど、
今回は、栓は、普通。
でも一口飲むとワインの香りとは全く別のなんとも嫌な味が舌に残ります。
例えるならカビ臭くなった雑巾のような臭いか。
ひどい時は、何時間も、何を食べてもおいしくないような。
ワインを密封しているコルクは、
樹齢の古いコルク樫の木の樹皮を厚く削り、
手間暇かけて作られています。
ポルトガルが世界の生産の半分を占め、
その他地中海沿岸の国々で生産されています。
その過程でコルクを洗浄する際に残った塩素がたまたま具合悪く、
ワインに溶けこんで出たのが、ブッショネの主な原因と言われています。
値段が高いコルク栓(=高いワイン)では、やはりあまり起こらない。
でもそれでもたまには起こるものです。
そう、ばば抜きのようにね。
こうした時当たり前ながら、ワインが高ければ高いほど、
悲しみは、深くなります。
このワインはこんな味? それともブッショネ??と
思うこともあるかもしれません。
見分けるには、たくさん開けて、たくさん飲んで、
時々ブッショネに当たれば、すぐ分かるようになります。
購入してすぐならお店で交換。レストランも言えば、すぐ交換してくれます。
私は、お客様に嫌な思いをして欲しくないので、
5ccくらい味見してお出ししますが。
運悪く当たった時の活用法は、煮込みのソースに入れるくらいだけれど、
家庭で1本は、きついですね。
どんなに気を配っても、
そして高価なワインであってもブッショネに当たる確率は、
ゼロではありません。
その時は、ああブッショネ、あきらめて下さい。
近年は、スクリューキャップやシリコン栓なども普及しています。
それぞれに長所はあると思います。でも、長く熟成させるワインには、
自然の妙が働くコルク栓は欠かせませんね。
その日抜いたスペインのああ、ブッショネワイン
コルク栓色々すぐ飲みと熟成タイプでは、長さにも違いが
一番左がシリコン製
.
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