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京都の旅行から帰った翌日は、祭日でもあり、近くでお祭りもあり、
バタバタと過ぎて行きました。
その翌日、店は定休日でしたが、貸し切りのご予約をいただいていて、
営業。
台風が直撃の時間帯とあり、本当にお集まりになるか、
気をもんだけれど、先方からは、行きますとのご連絡。
幸い、皆さんがお食事中に台風は通り過ぎて行ってくれ、やれやれでした。
京都旅行でご一緒した、新潟は南魚沼のHさんから、
宅急便が届いたのは、土曜日。営業を終えて帰宅すると、
採れ過ぎて困っているとおっしゃっていた、
カボチャが16個入った重い箱がドーンと玄関に。
うわー、本当に送って下さったんだ。
箱には、ミニカボチャの他に栗や色鮮やかなパプリカ、
シソやバジルなどのハーブ類も色々入っていて、
蓋を開けるとすごく良い香りが、玄関いっぱいに拡がりました。
嗅覚鋭い娘が、またまた、
「なんかいい匂いがする」と2階から降りて来たのはいうまでもありません。
営業後でふらふらだったけれど、泥を落とした綺麗な野菜、
いがから外したつやつやした栗、
良い香りに、すぐさま私の手が動きだしました。
栗を蒸し、穂シソを軸から外し、
塩漬け、酢漬け、キュウリとの和え物を作りました。
穂シソの塩漬けは、おにぎりに、酢漬けは酢のものにと、重宝します。
翌日の朝食はハーブいっぱいのトマトサラダ。
すごく美味しく、売ってるハーブと全然違うと感心ひとしきりでした。
が、次の日の朝、もう一度袋を開けてびっくり、
普通の香りになっていました。
ああ、こういうことね。本当においしいものは、一瞬、採りたての、
恵みを味わわせてもらいました。
Hさんは、「冬はキュウリを食べない、だってないから。
どうしてもの時は、買うけど、美味しくはないわね」とおっしゃってました。
雪深い、Hさんのお宅を数年前の夏にお伺いしたけれど、
本当に残しておきたい日本の風景、
清らかで、静かで、慎まし暮らしを思い起こしました。
カボチャはほこほこ、そしてすごく大変な、栗剥きを敢行して、
お休みの今日、栗おこわを炊きました。
自分でも、栗剥きなんて、手が痛くなるから辞めたほうがいいよな、
と思いながらも、おいしいものをみるとついついやってしまう。
冷凍庫に寝かしてあった甘鯛の掃除をして、
スープを作り、ハーブをいっぱいのせ、栗おこわといただきました。
大変なんだけれど、ホッとするんです。
キチンと作ったご飯、家族みんなが満足でした。
もうすぐ92歳の誕生日を迎える、シェフのお母さんへのお祝いです。
本当は同じ日に誕生日を迎える、京都にいる娘には、届かなくて、
ゴメンね、と思いながら。
おいしい玉手箱をが届いた、私のワクワクした時間でした。
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日本列島に台風が近づいていた先週の3連休の最中。
店は通常営業で、シェフやスタッフの皆様にご迷惑をおかけしましたが、
私はお休みをいただき、
京都親鸞聖人のご旧跡の旅に行って来ました。
浄土真宗の開祖、親鸞聖人がお生まれになったのは、1173年、
今から約800年前の平安時代末期です。
お生まれは京都伏見の日野の里。
比叡山でのご修業の後、新潟や関東にも住まわれ、
晩年はまた京都に戻られたので、ゆかりの土地もたくさんあります。
スタートは、今なお、田舎の風情を残す、伏見区日野の国宝、法界寺。
ご生家の菩提寺でもあり、
親鸞様が朝な夕な拝まれた阿弥陀如来像も、
伽藍も800年前の創建当時のままに残っているんです。
観光客が絶えない京都市内にあって、ひっそりと佇み、
穴場中の穴場。
時空を超えた一体感を堪能させていただきました。
翌日は、あいにくの雨でしたが、霧に煙る比叡山延暦寺へ。
大雨は免れ、霧雨にすっぽり覆われた比叡のお山も良いものでした。
伝教大師最澄が燈した1200年間不滅の法灯がある根本中堂を皮切りに、
親鸞様ゆかりの西搭、横川へも足を延ばしました。
が、ここで、営業のメールが。ランチに7人で行きますとのこと。
さらにもう一件、ディナーにお弁当10数個の注文メールにも気づき、
さあ大変。すぐに店に電話するも、電波は途切れ、途切れ。
なにせdocomoは圏外。私のガラケーは頑張ったけど、
あっという間に電池残量が1に。
みんなに遅れないように歩きながら、なんとか連絡が取れた頃には、
楽しみにしていた常行三昧堂の見学はすっかり終わってました。
聖域比叡山にも下界の侵入。なかなか完全オフにはならないものです。
それでも最後の横川にお参りして、
市内のど真ん中、六角堂のお参りをして、無事に旅が終わりました
六角堂は、比叡山での修業に行詰まっていた親鸞様が100日間、
お山から参籠されて、聖徳太子のお考えを尋ねられた場所です。
その答えは、20年にも及ぶお山の修業を捨て、
山を下りて法然聖人の念仏の道に入るという、180度方向転換の
大変、重い決断をされたところです。
今も大勢の参拝客が絶えないけれど、
800年前の聖人の決断に思い巡らしながらの旅の最後でした。
雨足の強くなった、京都を後に、もちろん、店のディナー営業に合流。
あっという間の2日か間でした。
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八百屋さんの店先でバターナッツカボチャを見かけました。
ひょうたんのような外見と、クリーム色の外観だけでは、
とてもカボチャとは思いえません。
2年前、初めて見たとき、
ジャムに良いと書いてあり、たくさん購入してチャレンジしたけれど、
余り納得のいくジャムにはならなっかた、苦い思い出があるやつだけれど、
今回はポタージュにしてみようと思いました。
ジャムにするには、決定的に酸味がない食材だけれど、
ネットリとした食感はペースト向きです。
切ってみると、こんな感じです。
下のぷっくりした部分は種があり、いかにもカボチャ。
ひょうたん型の上の部分は身が詰まっていて、種はありません。
可食部分は多いです。
自宅の台所で、切っていると、
2階にいた娘が、
「なになに、スイカ?スイカの匂いがするんだけど」と下りてきました。
言われてみると、確かにスイカの香りが。
どちらもウリ科だもんね。さすがに匂いにとても敏感で、
かつ表現力もある娘に脱帽。
私はかねてから彼女はソムリエになればいいのにと思うほどだけれど、
いかんせん、全くお酒が飲めない。我が家には珍しい人種です。
さて、甘い香りもよいバターナッツカボチャのポタージュは、ネットリして、
色も美しく、とっても甘いんです。
最初からポタージュにすりゃよかったんです。
これで2年前のリベンジは果たしました。
少しですが、店でもお出しできるので、ぜひお試し下さい。
バターナッツカボチャのポタージュ 500円(税込み)
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このところお客様から、うれしいお声をいただくことがよくあります。
月曜のディナー、お一人でいらした女性のお客様が、
オードブルと牛フィレステーキを召し上がられました。
お帰りの時、「こんな味を求めていたんです。
どこでステーキを食べても満足できなくて、あきらめていたのだけれど、
今日、やっと巡り会いました。」と興奮気味に話されました。
お客様の話しぶりから、お世辞ではなく、
感動を誰かに伝えたいという感じが伝わってきました。
先日、牛フィレ肉の塊を処理しているシェフの横で、
「牛肉はやっぱり大きいね、豚フィレとはまるで大きさが違うね」などと、
話していたところでした。
早速、お声をシェフに伝えると、同じフィレ肉でも、
中心部へいくと柔らかくなり、脂も適度に入り良い具合になるとのこと。
肉自体にも固体差はあるし、同じ肉の中でも違いが出てくると。
お客様にはたまたま、お好みの良いところが当たったようでした。
まさに巡り会いは一瞬です。
別席では、お仕事関係のおじさまたちが飲んだり、
食べたりされていました。
お会計の時、「ここの店が大好きなんだ。」と、
これまた、お気持ちを伝えたい感じがこちらにも伝わり、うれしくなりました。
お料理もお酒もたくさん召し上がられ、満足された様子でした。
オープンからずっとお越しいただいている、
Tさんは、「年をとってだんだん外へ出にくくなった。
でも、ここのこれが大好きで、楽しみに歩いて来るんだよ」と。
Tさんの黄金コンビは、「揚げじゃが」と「唐揚げスパイス風味」と、
赤ワインです。
ずっとこの組み合わせですが、「大好き」と言われた時、
本当にうれしそうなお顔で、私もうれしくなりました。
皆さん、本当にありがとうございます。美味しい、
うれしいはきっと誰かに伝えたくなるんですね。
お客様のこんな言葉は、私達には何よりのご馳走です。
「若鶏の唐揚げ 1000円」(ご飯と赤出し付き)(税込み)
「牛フィレステーキ 2500円」(ご飯と赤出し付き)(税込み)
「揚げじゃが 400円」 (税込み)
その他、お取り分けお料理もご予算に応じてご用意させていただきます。
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9月13日(火曜)、14日(水曜)、15日(木曜)連休させていただきます。
たびたび、臨時休業が入り申し訳ありません。
貸し切り営業などが続いているため、勝手させていただきます。
よろしくお願いいたします。
ご好評いただいています、夏限定メニューのビーフカレーですが、
今回の仕込み分で終了いたします。
いつ終わるかは、分からないけれど、もうすぐです。
ああ、夏が終わるんだなあ~って。
そして、先日、イタリア産の栗の蜂蜜を購入したので、
今回仕込み分のサングリアに投入してみました。
栗の花は白いのに、その蜜は、黒糖のように黒いことに驚き。
強烈な個性です。そしてその香り、栗の花のあの香り、
そのままが蓋を開けたとたんにしました。
これはどうだろう?ちょっと万人受けはしないかも。
でも、少し混ぜると、味に深みが出ることは間違いない。
例えば、パウンドケーキを作る時に少し入れたり、
ブルーチーズに合わせるとか。
ちょうどサングリアの仕込み中だったので百花蜜の他に、
少し垂らして見ました。
今日完成したので、明日からお出ししますね。
栗の蜂蜜は思った通りの働きをしてくれ、
ちょっと個性的なサングリアになりました。
これから深まる秋にはぴったりのお味だと思います。ぜひお試し下さい。
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9月になって夏野菜の話しがまだ続く、なんだけれど、
今は忘れかけられている、ずいき(芋茎)のことをどうしても書きたくて。
ずいきは漢字(芋茎)を見てもわかるように、芋がら、
つまり、八頭や赤芽芋など、里芋類の葉柄です。
茎を食べる、芋ではなくてね。
関西では、他に緑色で中が、すかすかした、
はすいも等も含めてよく食べると思います。
乾燥させた干しずいきは年中あるけれど、
主にお盆前後に生のものが出ると、一手間かかるなあと思いながらも、
つい手が伸びます。
今年の夏も一度だけお盆前に、生のずいきを見かけました。
ルバーブのように、一本一本筋を取り、適当な長さに切ってから、
あく抜きのために、下茹で。
その後は出し汁でおあげやじゃこと炊いてもいいし、
さっと茹でたものを三杯酢につけると、綺麗な赤色が出ます。
すかすかなのですぐに煮えます。
昔から、血の道に良いと女性に親しまれてきたましたが、
実はポリフェノールが豊富な食材でもあります。
以前、夏に八百屋さんの店先でずいきを買おうとしていると、
年配の女性から、
「これ、どうやって食べるの?」と尋ねられたことがありました。
反対やと思いながらも、名古屋では、余りなじみがないのかもなあ。
店の賄いでも初めて食べるという子が多いけど、
みんな好きになってくれる、どこか懐かしい、
ほっこりさせられる味わいがあります。
こんな食材を残していかなきゃなあと思います。
今年の夏はオリンピックに湧き、一方で相模原の事件など、
人の心の問題を奥深くえぐるような事件もありました。
先日はかねてから具合が悪かった、友人のお嬢さんが急死され、
お母さんの気持ちを慮るといたたまれない気持ちがします。
喧騒の世の中にあって、ひっそりと、人の心を鎮めてくれる、
そんな食べ物を残していきたいです。
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店で使っている、計量カップです。
手前が、この間まで使っていたもの、奥がおニューです。
どちらも、上から見て量れる優れもの。
お酒は180ml、焼酎は100ml、
ジンジャーエールやウイスキーなどは、
50ml以下にも細かなメモりが付いていて、とても重宝しています。
以前使っていたものは段々メモりの印字がはげてきて、
だいたい一年で新品に交換となり、東急ハンズのハンズメッセで毎年、
数個、購入してました。
はげなきゃいいのにねって思っていると、
今年はどうも、違う製品のようです。
お使いを頼み、来たのが、奥のもの。
mede in american!ユニバーサルデザインと書いてあります。
確かにデザインはカッコイイけど、そして100までのメモりも細かいけど、
1合、180mlのメモりがありません!
日本酒が量れない!結局、元のはげかけた、
mede in japanの計量カップも捨てられず、
今は2種類を使い分けています。
ユニバーサルデザインは、使い勝手がよく、
広くみんなに使ってもらえるような製品ということだけれど、
あちらが良ければこちらが悪く、
広くみんなに良いものはそんなに簡単ではないですね。
物事、簡単にはいかないものです。
生ハムとフルーツのサラダ 1000円
今はいちじくがお勧め。今年は桃が美味しく、長く楽しませてもらいました。
これからはいちじく、和梨、洋梨の季節です。
ハムも新しい塊を切りはじめたので、
パルマハムの特徴、乳清を飲んで育った豚の乳の香りがぷーんとして、
良いものです。ぜひご賞味下さい。
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8月の終わりは、異例ずくめの台風が、震災の跡地にまたしても、
つめあとを残すという、痛ましいことになりました。
うーん、自然はなんともならない、今も昔も変わらずに。
いつのまにか日暮れが早くなり、朝夕の風も心地よくなり、
夜には虫が鳴きだし、喧騒の8月が終わりました。
9月になってしまったけれど、今年一度も作っていなかった、
トマトの冷たいスープ、ガスパチョを仕込みました。
まだまだ、日中の暑さは続くので、ぜひお試し下さい。
トマト、玉ねぎ、ほんの少量のニンニクと塩しか入っていない、
シンプルなスープ。トマトがとても優しい味わいになるから不思議です。
ガスパチョ 500円 です。
今年一度も作っていなかったと言えば、
トマトや茄子やズッキーニをゆっくり炒め煮にした、
ラタトイユも作っていなかったことに気づき、
あー、夏が終わっちゃうと慌てて作りました。
カラフルな鍋を見ていると、元気が出てきます。
こちらは、残念ながら、賄い、でした。
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まだまだ続く私の夏野菜レポート、次回お楽しみに。