No.563 トリュフがきたその2---白トリュフ初体験
さて、紹介の順序は前後しますが、問題の白トリュフです。
友人いわく、本場イタリアでも、一生のうち、何度食べれるかという、
超レアもの。
白トリュフ祭りで買った小さな白トリュフを、
お住まいだったパリの16区パッシーの
アパートのコンシェルジュのおばさんにさしあげたら、
態度がころっとかわり、トリュフ効果抜群だったと。
それほど彼の地の人々にとっても貴重で珍しく、
ありがたい食べ物だということでした。
シェフも白トリュフを扱うのは初めてだったので、
イタリアから持ち帰ってきてくれたイタリアンのシェフから
色々と教わりました。
白トリュフは特に卵との相性が良いということで、
現地の人は目玉焼きにトリュフを振りかけるのが、
ポピュラーな料理だとか。うへぇ、目玉焼きにトリュフだなんて‼
また、冷たいものより、温かいものに合わせると
香りがよりたちやすいことなどを教えていただきました。
教えていただいた中から「タリアテッレ 白トリュフかけ」
というパスタ料理を作ることにしました。
強力粉よりなお強力なデュ-ラム・セモリナ粉に
卵黄のみを加えた真黄色い麺を力を込めて伸ばしました。
できあっがった手打ちタリアテッレに、
イタリアのチーズ、グラナダパダーノと白トリュフをふんだんに振りかけた、
素朴な料理の出来上がり。
トリュフをかけると、華やかで、それでいて、
ちょっとニンニクスライスに似た、魅惑的な香りがパッと広がり、
しばらく続いたのち、儚く消えてゆきます。
手打ち麺を口にすると、甘く、噛みしめるとじわじわと、
口の中いっぱいに、調和された旨みが広がりました。
Kさんご夫妻は「これこれ、この香り、11月のイタリアの匂い」と
記憶が呼び戻されたようです。
「タリアテッレだけでは200円くらいなのに、
白トリュフを振りかけると5000円以上にいきなり値上がる」と
トリュフ市の思い出話が続きます。
その他のトリュフ料理もいただき、
4人で4本のワインを開けた特別な夜となりました。
シェフの張り切りように手を焼いていた私ですが、
さすがに渾身の一皿、一皿。
トリュフという素材に料理人魂が呼応した瞬間に
立ち会わせてもらいました。
片付けがすむと、シェフは放心状態。
「あーあ、食べてしまった。終わってしまった。」と気が抜けた様子。
作る前の高揚感から虚脱感を味わっているようでした。
誠に儚く、そして、魅惑的な白トリュフでした。
まずは、トリュフへの憧れに火を灯してくれたK夫妻、
そして、イタリアからトリュフを持ち帰ってきてくれた料理人のHさんに
熱く御礼申し上げます。
今回は全部自分たちで食べてしまいました。
まことに申し訳ありません。
おっと、お一人、目玉焼きにトリュフ、
そして、
メンチボール・ペリグーソースを召し上がったラッキーなお客様が
一人いらっしゃったことも書いておきますね。ね、Uさん!
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