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2017年9月 7日 (木)

No.637 荒川源流の旅…イワタケに魅せられたおかみさんの話

佐美冷蔵を後にして、秩父市街地に戻り、

服飾史に興味のある娘の希望で、

大正、昭和初期に一世を風靡した絹織物、

秩父銘仙の織物工場の資料館を見学しました。

S181

S183

S188

仕事の工程の順に織機などがならぶ施設は素朴ながら、

貴重な資料がいっぱいでした。

S193

その後、昭和の面影を色濃く残す街並みを散策して、

S219

街から見える武甲山

S227

行きそびれた両神山の滝などに心残りを感じながら、帰路につきました。

最後に、イワタケ採りの名人、

茅葺き屋根のお宿のおかみさんの、お話を紹介しますね。

イワタケは菌類と藻類をあわせ持つ地衣類という仲間だそうです。

キクラゲのような姿をしていますが、

成長は非常に遅く一年に1mmと言われています。

しかも生えているのは、

標高1000mから2000m以上の乱気流の発生しやすい岩場ということで、

まさに命がけで採取に行くとのことです。

でも、おかみさん、なんだか楽しそう。

「岩登りは命がけ。無心で登るので、スカッとするんだ。

なんていうのかストレス解消と言うのか、空気が違うしな。

だから、やめらんねえな。」おばあちゃん、とってもかわいいのです。

イワタケを探して登って行くと、かもしかの糞が見つかる。

その上にはカモシカの寝床があるので、

カモシカが脚をかけた岩に自分も手足をかけて登って行くと滑らない。

イワタケは動物の生息エリアに生えているそうです。

またな、花の群生をめがけてたくさんの蝶が飛ぶことがあるんだ。

ものすごくたくさんの蝶に囲まれて、とてもこの世の光景とは思えない。

「だからやめらんねえんだ」

(後で調べると、それはとても珍しい渡り蝶、アサギマダラの群れでした)

秋には下から大きな竜が登って来るんだ。

なんだろうな、と思っていると、それはトンボの大群。

トンボの大群がある時期、ある場所に交尾のために集まって来る。

そういうのに出会うこともあるんだ。

セミもな、木にセミがいる、ではなくて、セミの木なんだあ。

セミが木になってるんだ。あんまりうるさくて、

自分たちの声も聞こえない。うるせえーというくらい鳴いてるんだ。

人には教えられないけど山一面がトリカブトの山がある。

紫と白とマダラと、一面が染まっている。

イワタケは2500m級の岩場で採れる。夏はちじこまって、

梅雨時、秋雨のころがよく採れるが、自分と息子としか行ける人がいない。

一度、秩父警察のお巡りさんがついてきたが、

「足が地面に着いてないと嫌だ」といってお弁当をもって待っていた。

山が好きだからここで暮らしている。

好きだから登れる。いろんなことがあったけど、

好きなことをやったほうがいいよ。

おかみさんの子供のころ、結婚して、離婚するまでのこと、

色々とお話下さいました。

決して平坦ではなっかった人生経験を聞きながら、

「好きだからやってる。好きなことをしたほうがいいよ」の言葉は

しみじみ心に染みて、忘れられない夜になりました。

S079

犬小屋も茅葺きでした。



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