No.686 千手観音にもなれない
季節はすっかり春。凍える寒さの冬を乗りきり、乱高下した3月も後半になり、
あっという間に桜満開。春休みも始まり、浅野屋も忙しくなってきました。
ご予約貸し切りが続き、ご迷惑をおかけしていました。
17日にはマックスの16名を超える19名の貸し切りを自宅から椅子を持って来て、
なんとか乗りきりました。
力を貸してくれた大学4年生のバイトの子たちもいよいよ卒業。
昨日の満席時には1年生のT君が頑張っていました。
お客様へのお茶やおしぼりだし、次々入るオーダーへの対応、そして大量の洗い物。
慌てる彼にシェフが「T君、深呼吸して」と叫んでます。
ついには側まで来て「正しい深呼吸の仕方を知ってるか?」とレクチャーしだすので、
ただでも忙しいT君は大変。
そんな事より早く料理を作ってよ、ってね。私も笑えてきました。
そういえば、ずっと前に、今よりずっと忙しい時に、長大なオーダーが入り、
読み上げれば、シェフの顔色が真っ白になると思いながら、
オーダーを読み上げ出したとき、
大変過ぎて笑いが止まらなくなったことがありました。
昨日もなんとか終わり、賄いを食べながら、私とシェフでT君に慌てないコツを伝授。
生真面目な彼は、なんとかお客様をお待たせしないように、早くしようとして、
あわてていることに気づかずにいると言います。
深呼吸もいいし、わざとゆっくり歩いたり、ゆっくり動作をするのもいいよ、
といいながら、それでもどうしても大変な時は、お客様を見ないようにする!
という奥の手まで伝授。
必ず終わる、順番に料理は出る、そう思うと焦る気持ちも多少はましに。
まあ、なるようになると腹を括るということかな。
その日もなんとか片付けも終わり、賄いまできました。
誰しも千手観音にはなれません。
色々な経験が難局を乗り越える糧となるんですよね。
一つづつやっていきましょう。
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