No.701 プラハの広場にて
ワイン好きのご年配の男性のお客様は、
お仕事で世界の津々浦々へお出掛けになっていて、
色々な土地の食べ物やワインのお話を楽しく話してくださいます。
ある日チェコのプラハで食べたハムの話をお伺いしました。
毎年、同じ時期にプラハへお出掛けになり、
プラハの町の広場でハムの塊をロースターで焼くおじいさんを見かけていたと
言われます。
いつも長い行列が出来ていて、美味しいんだろうけど、
屋台なのにレストラン並のお値段に、並ぶ気持ちにはなれなかったと言われます。
でもあまりに盛況なので、ご自分もついに食べてみると、
その美味しさに驚かれたそうです。
次の年は見慣れたおじいさんではなく、若い人がハムを焼いていたそうです。
前年おいしかったので再び食べてみて全くの味の違いにがっかりだったとか。
「ハムをロースターで焼くなんて難しいことに思えないけど、何が違うのかなあ」と
おっしゃってました。
続けて、「以前料理本を買って、初めから全部作ってみたけれども、
もう一度作ろうと思ったのは、2、3個だった。
おじいさんのハムと若者のハムは何が違うのか、
料理のオモシロサというか、奥深さを感じたよ」とおっしゃってました。
2度、3度、4度、5度…、到達点はないけれど、
繰り返しの中にやがてその人の味が現れてくるのには
途方もない繰り返しの時間があるのでしょう。
プラハのハムの味は幻となってしまったのでしょうか。
おじいさん、カムバック !
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