7月29日日曜日より、予定延長して5日間ものお休みをいただきました。
6月初めより入院していた義母の退院が急遽決まり、ぶり返した暑さの中、
それでもとても嬉しそうに、家の玄関を再びまたぐことができました。
90歳を越えてからはけがなどで病院のお世話になることも多いけど、今回も復活です。
さて、今回の休みの間にワイン好きの方々が集まられるご予約がありました。
どんなワインをお出しすればよいのか、
シェフが選ぶ有名所のワインには首を横にふり続けた私。
何かもっと変でインパクトのあるものはないの?という私の注文に
シェフがセラーから出してきたワインは紫のラベルに羊と鷹が描かれた、
「maborosi」。右下に漢字で「幻」と書いてあります。2003年のカベルネです。
お値段も結構するけれど、きっと喜ばれると思い「これでいきましょう。
「ところでこれってほんとに幻なの?」という質問には、
「流通しているから、幻ではないのでは?」との答えに思わず吹き出してしまいました。
お客様も喜んで下さり、鴨のソテーや、ローストビーフと合わされました。
複雑な香りが立ち上ぼり、力強く、濃い味わいがお料理を引き立てました。
ワインの正体は、カリフォルニアのソノマに醸造所を構える
日本人の私市友宏さんの作るものでした。
ブルゴーニュワインに魅せられた私市氏は奥様と子どもさんを連れて
日本からブルゴーニュに渡りワイン修行。
さらにカリフォルニアに新天地を求めて、
ブルゴーニュのようなピノノワール作りを目指します。
日本を離れる時に友人から「そんな夢か幻みたいな話」と言われたことから、
「幻」という名前をつけたそうです。
後に作られるようになったカベルネ・ソーヴィニヨンは、少し離れたナパの畑です。
描かれている羊と鷹と月にもそれぞれ意味があるようです。
年間生産量は300ケースと少ないため、そうそうお目にかかれるものではなく、
幻と言っても過言ではないでしょう。シェフが見つけて購入していたものでした。
本場フランスを初め、世界中で日本人のワイン醸造家が活躍する時代になりました。
次回はお客様に教えていただいた、
イタリアのシチリアで昨年リリースされた
日本人が作るワインについてお話ししますね。
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