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2019年5月

2019年5月30日 (木)

No.770 ささやかな日常 その2

庭の手入れの後は30度以上の猛暑日が続き、

根を下ろしたばかりの植物が根付くかホースでチョロチョロ水をやりながら気をもんでいました。

日中ぐったりしている葉っぱも夜、帰宅するとしゃんとしている様を見て、やれやれと思う日々。

そんな折、私の休日の朝に飛び込んできたニュースは川崎の通り魔事件。

庭のささやかな日常どころではないニュースにブログアップも気が引けてしまってました。

少し前には、大津で保育園児のお散歩の列に車が突っ込む事故。

その都度幼い命を守るための大人の方々の懸命の努力が報じられました。

今まで以上にピリピリと神経を使い、息が詰まりそうな気配。

がしかし、どちらの事故もどんなに注意していても、巻き込まれています。

通勤、通学の方々には、いつものささやかな日常のひとこまの時間。

それは大津の事故の車を運転していた女性も同じだったのでは。

私と同年配の彼女らは、いつものコースをいつものように走行していたでしょう。

加害者となった彼女たちにとっても少し前まではささやかな日常だったはず。

ささやかな日常はとんでもなく危ういところに成り立っていて、

なんとか無事に過ごせているのだなあ。日常と非日常は薄紙一重。

私にもそんな非日常がいつ起こっても不思議ではない日々をうかうか過ごしているのだなと知らされます。

庭をさわっていたら思わぬ珍客が家の中へ。

素早く動く影の正体が分からず不安でしたが、

充電器のスイッチを入れようとすると壁の物陰にヤモリが張り付いていました。

娘と二人がかりで、ホウキで家の外へ追い出してやれやれ。

ヤモリにしてみれば、いきなり煌々とした家に飛び込んで来て仰天しただろうけど、

本来の棲みかへ、日常に戻れて良かった良かった。

子どもの頃に実家の常夜灯に夏になると現れるヤモリの影が気味悪かったことを思い出しました。

大津や川崎での被害の方々には簡単に戻ってこない日常と向き合う日々が続くと思います。

私は自分が立ってるところに今一度目を向ける時間をいただきました。

 

 

No.769 ささやかな日常 その1

先日の3連休の折り、思い立って、庭の整理を専門の方にお願いしました。

玄関先にある小さな庭だけど、方々に置いた鉢も含めると、私が手を入れ出してから25年くらいたち、

相当な数の草木が生い茂り、芽吹きの季節を迎えて、手入れしようにも、足の踏み場もない有り様。

このままでは昨年のように大量のナメクジ発生にもなりかねないと、

以前の浅野屋の近くで花店を営んでいらっしゃるT屋さんをお訪ねしました。

状況を把握して下さり「一度すべてを掘り起こして、いるもの、

いらないものに別けてすっきりさせましょう。何を残したいですか?」とのこと。

庭の断捨離か。思ってもいない提案でしたが、話すうちにすんなりまとまり、

さっそく取りかかって下さいました。

午前7時30分。いつもなら私がまだ寝ている時間、

外ではスコップで、シャカシャカ土を掘り起こす音が。

1時間半程して外へ出てみると、あらまあ、あんなに根深かかったススキもジャスミンも

すべて掘り起こされてスッキリ。ツワブキやナルコユリ、水仙など、大きくなった株もすべて掘り起こしてありました。

道具といえば、中振りのスコップとのこぎりかな。

よくもまあこんな短時間でと思うほどの仕事ぶり。

そこから今度は適材適所への植え戻し。鉢で窮屈だった山吹は庭へ下ろし、

庭で伸び放題をなんとか食い止めていたススキは鉢に入れて鉢ごと土中へ。

そして、縮こまっていたクリスマスローズやおもとを前の方にと。

おっしゃっていた通りに午前中に仕事は「終わりましたー」と声がかかりました。

大きくなった株は小分けにして、植え戻し、鉢は

以前店に置いていた南天の一鉢のみのスッキリした玄関になりました。

「この空間を死守してね」。良い風が通り、日が当たり、

良い気が通る空間を作り上げて下さいました。さすがプロ。

繁茂した地上以上に複雑に絡み合った土中の根を切ったり、守ったり、

よくもこんな短時間でここまでのお仕事を、と思うばかり。

「でも2年は辛抱ですよ」とも。思ったように根づくか花咲くかは、分からないと。

自然相手のお仕事をされている方の言葉は深いです。

お疲れのガーデナーさんには飲む血液と言われているビーツにイチゴとバナナを入れた

真っ赤なスムージーを作って差し上げました。

ビフォワー

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アフター

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2019年5月20日 (月)

No.768 お休みのお知らせ

大変勝手ながら、

5月20日(月)臨時休業させていただきます。

  21日(火)、22日(水)定休日です。

なお、25(土)ディナーはご予約が詰まってきています。ご来店のご予定の方はぜひお電話でお問い合わせ下さい。

よろしくお願いします。

週末の土曜、日曜はおかげさまで盛り上がりました。金曜日の夜に「疲れたなあ」と思っていると土曜日の朝には、私の弱点の腰が、なにやら不穏な様子。またしてもぎっくり腰の雰囲気に。用心しながら仕事をしていましたが、ワインがたくさん、たくさん出て、目が回りそうだった夜ともなると、本格的なぎっくり腰となってきました。幸いなことに少しずつ休憩を取るようにしていたら、日曜は小康状態。

つまり「休め」との身体のサイン。素直にお休みは休憩させていただきます。予定していた、扇風機出したり、お墓の草取りに行ったりは、様子見ながら、ですね。木曜日に皆さんと元気にお会いできますように。 

2019年5月16日 (木)

No.767 アスパラソバージュ再び

休みの日の日課の八百屋巡りで再びアスパラソバージュに遭遇しました。

立派なホワイトアスパラとグリーンアスパラも手に入ったので、

もう一度「3種のアスパラの新玉ねぎソース添え」をお出しします。

本当は税込800円では厳しい原価。

でも季節の味なので、皆さんにお召し上がりいただけるよう、がんばります。

今回も無くなり次第終了です。

前回、木曽福島にはそっくりな山菜があり「ぬるで」と紹介しました。正しくは「シオデ」でした。

訂正いたします。なんかおかしいなと、もう一度調べてみました。

マイナー山菜なので、検索もなかなかでしたが、スッキリしました。ぬるでは樹木です。

アスパラソバージュはフランスからの輸入品ですが、こちらも山野に自生するものを摘み取るそうです。

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日本では栽培農家も紹介されていて、葉っぱはニラのようです。

今日は他にも珍しいものが見つかったので、思わず購入。

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アザミのつぼみのアーティチョーク がくを外して中の芯を食べます。

がくもしゃぶれば食べられるけど、可食部はすごく少ない高級品です。

味はユリ根や小芋のようなほくほくで、すごく美味しい。労多くして食べるとこ少ないので、

シェフのお手透きの時に料理してもらいましょう。

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フェンネル これも立派な葉っぱは落として、根本だけを外して茹でます。とても上品な香りが特徴です。

そろそろ野菜の温製を冷製に切り替えていきます。冷製に入ります。

他にも剥いていないヤングコーン等を購入しました。

季節が少しずつ動いています。

「生ハムとフルーツのサラダ」はメロンが始まりますよ。1200円(税込)

 

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2019年5月15日 (水)

お休みのお知らせ

勝手ながら、5月20日臨時休業させて頂きます。

申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

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2019年5月12日 (日)

No.765 謎の鶏肉

金曜日の午後。仕込みに入っていたシェフに自宅から昼御飯を車で届けに行きました。

手渡した後、店から一歩出るとピンクの肉のようなものが、店の正面に。鶏のむね肉が1枚、なぜか店の真ん前に落ちていました。

なんだこれ? 肉だよ、鶏肉。なぜ、こんなところに。

訳がわからないまま、とりあえずビニール袋に入れて、自販機の横に置いて置くと…、そのうち無くなっていました。

なんんだろう。カラスがくわえて、落としたのかなあ?猫? いや、上に住む人が、窓から落とした? 

みんなの妄想は広がるばかりで、しまいには「上に住む人がけんかして、投げたのでは?」などという意見も。

真相はわからないまま。それにしても営業中ではなくて良かったです。誰かの頭を直撃しなくて良かったです。

 

金曜日に始まった季節のアスパラガスのお料理は、11日の土曜日で終了しました。

たくさんご用意しましたが、好評でした。また、入荷するようならお知らせしますね。

 

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2019年5月11日 (土)

No.764 季節の味 アスパラガス

例年、この時期になると、入るアスパラソバージュ。

穂先は確かにアスパラ。でも軸が細くて、袴もなくて、緑のつくしのように見えます。

食べると、少しにゅるっとしていて青臭く、アスパラガスの原生種と言われるのもうなずけます。

お客様から、木曽福島の方にそっくりな山菜があると教えてもらい、

調べて見ると、その名も「ぬるで」。

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きっとにゅるっとしているのでしょう。道の駅などに売っているようです。

そんなアスパラソバージュと、ほろ苦さのあるホワイトアスパラと、

お馴染みグリーンアスパラの3種類の温製をお出ししています。

アスパラにはこれも今の時期の新玉ねぎにレモンを効かせたタルタルソース。

レモンの酸味が効いて、さっぱりとお召し上がりいただけます。

少しずつ気温が上がってきました。さっぱりとした、目にも爽やかな季節の味をどうぞ。

3種のアスパラガスの新玉ねぎソース添え  800円(税込)

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2019年5月 8日 (水)

No.763 驚きのシャブリ登場

 

星の数ほど色とりどりに世界中にあるワイン。そんな中からお客様に美味しくて、お手頃なワインを選んでいるシェフは、

好きだからできるんでしょうね。

入荷も一度きりのものもあり、数ある銘柄はとても覚えられません。

けれども、赤ワインでは、「ボルドー」表示のワインを、白ワインでは「シャブリ」を一番よく開けていると思います。

先日調べものをしていたら、日本に輸入されているフランスの白ワインの40%がシャブリと書いてあり、なるほどと思いました。

栽培面積が小さいシャブリ地区のワインは日本ではとても馴染みのあるワインと言えます。

シャープで、キリッとした辛口でありながら、ミネラル感が尾を引き、複雑な味わいが口中に広がり、私も大好きです。

ある日の仕事が済んだ真夜中。シェフと二人で録画してあったテレビ番組を見ていました。

本場フランスで、フランス料理の店を出し、評判となってる日本人シェフの話です。

「おお、頑張ってるね」彼はパリではなく、田舎のシャブリ地区でシャブリを使った料理を出すという、少々変わり者。

丸ごと蒸したオマール海老の身を燻すのにも、シャブリのブドウの木の枝を使うというこだわりです。

そして、次の瞬間、料理に注がれたワインを見て二人で「あっ!」。

それはシャブリの中でも特別に上等な「ヴァンサン ドーヴィサ」というドメーヌのワインです。

そのドメーヌでは一番下のクラスのシャブリでしたが、それを惜しげもなく使っていました。

料理に、です。美味しくない訳がない。

実は2ヶ月程前に私たちも「ヴァンサン ドーヴィサ」のグランクリュを飲んだばかりでした。

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シェフが半額セール品をたまたま見つけて持っていました。(こういうのを見つけるのが上手いんです。)

プリミエより上のグランクリュを飲む機会はそうそうあるものではなく、

その夜、持ち込みをお願いしたレストランの魚介のお料理にもぴったりでした。

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強すぎない個性とでもいうのか、料理に寄り添い、料理を引き立て、そして、ワインそのものの旨味を感じさせてもらう、幸せな一時でした。

近年、ブルゴーニュワインの一部の銘柄は値上がりの一途で、信じられないような値段が報じられたりしています。

でも、そればかりでなく、シャブリを初め、ブルゴーニュでは2番手に甘んじている、ボージョレの中にも、美味しいワインはあり、

さほど、高騰していないように思います。

自分の口にあった美味しいワインを、気軽に支払える所から色々試して見るのが良い気がします。

浅野屋では、グラスワインは600円~、色々な銘柄をお出ししています。

それにしても、ヴァンサン ドーヴィサの登場には、びっくりしたなあ。

2019年5月 5日 (日)

No.762 誕生日その後 2

「お誕生日おめでとう。ブログ見ました。タケノコを置いておくね。

貰い物だけど、少し助けて」と友人から、玄関先に大きな筍のプレゼントが。ガーン。

もらって嬉しく、と同時にガーンとなる季節の使者、それが筍。

誕生日の夜に届けてくれた筍。その日は糠もなく、そっとしておいて、翌朝、お米を研いで、磨ぎ汁で炊きました。

大きくても柔らかくて、先ずは筍ご飯。そして若竹煮。最後に豚肉と炒めて、山椒をたくさんかけた中華風と3品一気に作りました。

よし、これで3日間の賄い出来上がり。Mさんありがとう。筍はまさしく初夏の訪れを感じさせてくれる食材。

でも、手間隙考えると、自分で買うのは少し億劫になりませんか? 実はその日も市場のたけのこの前で悩んでパスした私でした。

最後に大きなプレゼント。

ガーン、だけど、食べるとみんなうれしい季節の味ですね。

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5月5日(日)ランチ、ディナー営業

  6日(月)臨時休業、7日(火)、8日(水)定休日です。

よろしくお願いします。

 

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2019年5月 4日 (土)

No.761 誕生日 その後 1

ショートケーキの写真を下の娘に送ったら、「お母さんお誕生日おめでとう。年を取る楽しみはありますか?」

という返事が送られてきた。彼女の息子は1歳になったばかりで、子育て真っ最中。

年を取る楽しみ? あるわけないでしょ。気力、知力、体力、すべて衰えてくる。

身体がいうことをきかない。昨日すらすら言えたことが思い出せない。愚痴っぽくなる。 

 

お釈迦様が人生の真相と言われた「生老病死」の4文字の後の3つが否応なしに襲いかかってくる。

シェフのお父さんは晩年に、よくお菓子の個包装の袋を「開けて」と言われた。

なぜ、こんなものを…と思ったものだが、今の自分はすでに似たようなもの。ティーパックの袋は初めからハサミで開ける。

それほどに指の力が衰えてきている。義母の毎日からも、人の手助けなしで生きていくのは、決して楽しいとは思えない。

それでもそんな日常を楽しむという言葉はしっくりこないけれど、起こり来ることに恐れはないな。

どんな風に老いていくのか、日々進化?する頭のボケと、いうことを効いてくれない身体。

それすらも新しい自分に出会っていくことの気がして、くよくよと滞っている暇はないからかな。

この先はどんなことが起こってくるやら。嘆いたり、悲しんだり、グチグチ言ったりしながらも、

お釈迦様が言われた真実をただただ知らせてもらうばかり。

それにしてもナイスな質問。考えるのは楽しかったです。

ちなみに30歳台の彼女は「今の体力のまま80くらいまでいけたら良いのに」だって。

それも想像してみる。うーん、私はそれは無しかな。自然の摂理はうまくできている気がする。

♪♪アゲイン♪

時がやさしく せつなく流れ

そっとこのまま 振り返るなら

僕らは今も自由なままだ

  吉田拓郎「アゲイン」 拓郎の優しい歌、たまに聞きたくなるんよね。

 

2019年5月 3日 (金)

5月のカレンダーです。

5月のカレンダーです。

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2019年5月 2日 (木)

No.760「ゆみちゃん」のケーキ

カウンターで一人でお食事をされていた女性に、別のお客様が、「ゆみちゃん」と声をかけられました。

まだまだ若いゆみちゃんは、「レクランド ユミコ」という池下のケーキ屋さんのオーナーシェフということです。

浅野屋の近くに引っ越ししてきて、お食事に来てくださったそうです。

ゆみちゃんのお店の評判を最近、良く聞くので私も行ったのですが、あいにくお休み。

そこで平成最後の日の自分の誕生日はユミコさんの所のケーキを食べようと決めて、雨の合間に出かけました。

午後4時過ぎ、お客様が並んでます。心配になり、店内を覗くとケーキがほとんど無い。

ショーケースにはショートケーキとプリンだけが残っていてギリギリセーフ。

広い喫茶室は満席で、皆さんパフェなど色々召し上がってられました。

お誕生祝いらしい、ごくシンプルなショートケーキを4個。好きなアールグレイのミルクティーを入れて、家族4人でいただきました。

クリーム、卵、小麦粉、イチゴ、みんな良い材料が使われていて、甘味もギリギリまで押さえてあり、納得のお味でした。

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平成最後の日、久しぶりにのんびりと過ごさせてもらいました。

平成は終わりましたね。

私はまだ昭和の女の気分。赤ちゃんから結婚するまでが昭和で、子育てと仕事真っ最中が平成となるけど、

小さい頃に両親に大切に育ててもらったことやゆっくり学ばせてもらったことが、私の中の土台の気がする。

平成には、子育てという大仕事があったけれど、忙し過ぎたのか、あまり感慨はないなあ。

昭和の終わりに生まれた家の子どもたちは、ほぼ平成育ちと言ってます。彼女たちの見える景色はまた違うのでしょうか?

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