No.789 思い出の赤ピーマンのムース
京都の母のところへ顔をだし、弟夫婦と母と私で食事に出かけました。
名古屋へ戻らねばならない私と、広島からの仕事帰りの弟の都合で
京都駅近くの京野菜を使った創作ビストロのお店を予約してくれていました。
最初に出てきたのが「万願寺ししとうのムース」。ええ?どうやって作るのかな?
確かに味はピリッと辛く、ほろ苦く万願寺の味。でもあの薄手のししとうがどうしてムース状になるのかな?
家に帰って思い出したのが、昔ヒットした「赤ピーマンのムース」です。
フレンチではずいぶん出ました。シェフも作っていたけれど大変お手間のかかるものでした。
まず赤ピーマンをオーブンなどで黒こげに焼いて、外の黒く焦げた皮を取る。
剥いた赤ピーマンを角切りにして、30分ほど煮る。水気を切り、
水でふやかしたゼラチンを加えてミキサーにかける。生クリームを良く泡立て、良く冷えたピーマンのピュレに
そっと加える。塩、コショウする。ボールなどで冷やし、スプーンを使って、形を整えて皿に盛ります。
口に入れるとスッーと溶けて赤ピーマンのクリームと一体になった優しい甘みが残ります。
経験したことのない美味しいモノとの出会いに、
私もびっくりしたし、お客様もとても喜ばれたものでした。
今から30年位前かな?その頃は、まだまだびっくりする味との出会いがあった気がします。
今は簡単にはそんなわくわくには出会えないな。それにしても肉厚の赤ピーマンならいざ知らず、
薄手の万願寺から作るお手間は大変なことでしょう。
その後、「焼きナスとシナモンのポタージュ」が出ました。
おお! 数日前に娘が「お母さん、新聞に焼きナスのポタージュという料理が載ってるよ。
一度見てみて」と、暑くなると、焼きナスとトマトサラダと冷奴という3つの献立が
頭の中をぐるぐる回る私に向かって言ってたいた、あの料理か。
食べて見ると、おお、確かに焼きナスの香ばしい香りがします。
美味しい。でもやっぱり私には焼きナスに鰹節と生姜とお醤油だな。
ポタージュになる前に食べちゃうな、と思いながら美味しくいただきました。
色々な工夫を凝らしたお料理をいただき、ワインも回って、
今や昔の話があれこれ飛び出し、気がつけば、新幹線に急がないといけない時間になっていました。
万願寺ししとう
伝統京野菜 ししとうより大きく、辛みが少ない。焼いたり、揚げたり、おじゃこと炊いたり。
うちにあったのは、だいぶ曲がってますけど…。もう少し太いのもあります。