No.987 花と食を巡るディープな京都旅 その1原谷苑
若い時、桜はあまり好きにはなれなかった。
満開になるとぼんやりした花色で、つかみどころがなく、
どこを見ていいのか、不安な気持ちを抱いた。
歳を経るごとに、厳しい冬の寒さを耐え、咲く桜が、
素直に春の訪れを喜ばせてくれる花になりました。
先日、たっての希望だった、京都洛北金閣寺の奥にある、
桜の園、原谷苑を訪れることができました。
4月も半ばで、少し遅いかな、とも思いながらも、
京都でも最北、北山にへばりつくような原谷。
桜の種類も枝垂桜が中心と、思いきって出掛けました。
入場料1500円(時価だそうです)を支払い、
一歩園内に足を踏み入れると、そこはまさしく桜の園。
満開の枝垂桜を中心とした様々な桜が空を覆い、
雪柳、レンギョウ、山吹、山つつじ、しゃくなげや
色とりどりのボケなどの低木も花盛りです。
高低差のある園内には所々に床机が置いてあり、座ってゆっくりと景色を眺めることもできます。
この景色は何といえばよいのか。庭園でもない。公園でもない。
植物園でもないし、山でもない。
不思議な眺めです。まるで夢の中にでも迷い混んだような。
とても美しい。天気も申し分ない。
でも、なんとも浮世離れしたような景色で、
ここにはコロナ禍での不自由も、
ウクライナでの悲惨な出来事も何もなかったかのよう。
若い時、桜に感じたような不安な感覚が呼び覚まされたような、
なんとも不思議な場所でした。
約一時間の周遊を終え、外に出ると同行した娘も、
夢幻というのか、白昼夢というのかな、
と同じような感想を述べたこともびっくりでした。
京都洛北、原谷苑。桜に覆われた美しい花園でした。
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