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2022年7月 4日 (月)

No.1004 作品×作品×作品

介護施設に入所している、義母の部屋を片付けていると、

趣味だった絵手紙に混じって、画仙紙に文章と絵をしたためた、

大きな作品が出てきました。

平成15年の正月1日の日付が入った、絵手紙仲間でもあったご近所のおじいさま、

伊藤様宛の新年のご挨拶で落款まで押してあります。

今97歳のおばあちゃんが79歳の頃のもの、

約20年前のものです。

作品と言えるかはともかく、文字と松竹梅の絵は勢いがあり、

おばあちゃんの人柄が滲み出たものでした。

伊藤様宛なのになぜ、家に残っていたかも謎です。

所々、日本語がおかしいところもあるけれど、

それもまた、本人らしくもあり、

私は何とかしてこれを残してあげたいと思いました。

数日後、玄関を掃除していると、件の伊藤様の奥様が散歩中で、

声をかけて下さいました。

書画をお見せすると、持って帰り主人に見せたいとおっしゃられます。

今にも破れそうなので、なんとか表装してお持ちしますと約束しました。

でも、表装ってお金もかかるし、と家族の意見。

そうだよね。そこまで値打ちがあるかと言うと、うーん。

友人に相談するとアマゾンで自分で表装できるキットが売ってるよ。

まあ、私は失敗したけど、って。

思案していると、お客様がYouTubeの簡単表装の画面を送って下さいました。

これならなんとかと、画材屋さんに出向き、

額の代わりになる大きなボードと裏打ち用の大きな紙を買い、

百均で刷毛も買い、用意万端。

さてと、よれよれの画仙紙にアイロンを掛け、

糊付けしようと思ったら、あれれ?家に澱粉糊がない。

あるのはスティック糊やテープ糊ばかりで、

肝心のチューブに入った糊がないではありませんか。

そういえば義母の部屋の掃除の時に捨てました。

固まってるよね、とか思って。黄色いチューブに入った昔から見慣れたあれです。

糊無しの決定的つまずきでも、

諦めきれず、YouTubeをよく見たお陰でとにかく、

裏打ちをしようとマスキングテープ案が頭に浮上。

実際に白いマスキングテープを台紙に沿って貼り付けると、

全く目立たず。

むしろ、糊より失敗なくできたのでは、と。

ここまでくると、ヒラヒラだった画仙紙がしっかりしたので、

全面に両面テープを貼り、ボードに無事に貼ることができました。

作品を被う大きなセロハンは入手できなかったので、

台紙が入っていた袋にそのまま納め、

茶色のマスキングテープで縁取ると

本当に額装したようなものができました。

Sdsc_2611

作品は80cm×35cmの大きなものです。

バックボード、マスキングテープ、両面テープと今、手に入るもので、

なんちゃって額装の出来上がりです。やったあ。

すっかりうれしくなった私は、このなんちゃって額装も作品だよな、

と勝手に思って、伊藤様にお持ちしました。

数日後、額装品は、数枚の絵手紙と共に戻ってきました。

Sdsc_2616

Sdsc_2617_20220704023201

それは90歳になり、介護が必要になった伊藤様が今も書き続けている絵手紙です。

なんと、なんと、90歳にして、この色、この絵、この文章。

すごいパワーに圧倒され、そしてうれしくなりました。

今度、義母との面会には、

ご本人の書画と伊藤様の絵手紙を持って会いに行くつもりです。

YouTubeの額装を教えて下さったお客様のK様にも感謝です。

お陰で諦めることなくできました。

一緒に出てきた半紙に書いた柿の絵もなんちゃって額装です。

Sdsc_2612

 

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