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2022年9月 2日 (金)

No. 1014 地の物、時の物

一日の仕事が終わり、シェフ、私、スタッフさんと

賄いの時間。

基本は私の作った家庭料理を、みんなで食べます。

時々残ったワインや、ビールを少し飲んだり、

余った赤だしをいっぱい飲んだりしながら。

先日、残ったワインを飲んでると、Tさんが、

「ワインを作るとき、どうやって皮を剥くんですか?」との質問。

彼女はN大農学部で、三年生になった今は農業実習に行っては、

フラフラになっています。

時々採れたてお野菜のおすそ分けをしてくれ、

そういえば、ぶどうのデラウェアをもらったことがありました。

彼女によると、ぶどうの栽培には、とても手間ひまかかると。

特にデラウェアを種無しにするために、

一房、一房、コップに入った薬液につける作業は、

ずっと上を向き、手も上げっぱなしで、

本当に辛かったと言います。

高いと感じるフルーツのお値段は、

それなりのお手間がかかっているとは、彼女の弁。

いただいたデラウェアはとてもおいしかったですよ。

自分で作ったからではの質問に、

ヨーロッパなどでのワイン作りの為のぶどう栽培法と、

日本の棚仕立てのぶどうの栽培法の違い、

主なワイン用ぶどう品種などの話しをしました。

そして、一粒づつ皮を剥くのではなく、圧搾して皮を潰して果汁を出し、

普通、白ワインでは皮や種を取り除き、液を分けて発酵させ、

赤ワインでは皮や種の入ったまま、発酵させる話しなどもしました。

七月の終わりには大きなカボチャを持って来てくれました。

一人暮らしのまな板では切れないとのこと。

切ってみると、すごく濃い黄色です。

Sdsc_2673_20220902021801

賄いにも使い、野菜の温製にも、

ずいぶん使わせてもらいました。

カボチャは収穫してから一ヶ月程、寝かすそうです。

こちらも、一人暮らしの部屋で、

余りの暑さに冷蔵庫に入れたり、出したり、

ドキドキしながら持ってきたと言ってました。

ごちそうさまでした。

七月の終わりには、浅野屋のメニューの

きよみオレンジジュースを取っている、和歌山の伊藤農園さんから

珍しい国産バレンシアオレンジを取り寄せました。

柑橘が無くなる夏に、貴重で珍しい国産オレンジ。

箱を開けると、見た目はあまり美しくない。

Sdsc_2652

でも、爽やかななんとも言えない香りにつられて、

まず一つお味見してみて、びっくり。

一粒、一粒の実がプリプリしてるんです。

適度な酸味と甘さもあり、爽やかな香りは初体験で、

食べたシェフも「こんなのは、初めてだ」と驚いていました。

今まで食べていた、船に揺られて来た、

オレンジが遥か遠くに霞んでしまいました。

デラウェア、カボチャ、オレンジと、

地の物、時の物の持つ、パワーを存分にいただきました。

それにしても、輸入食材に頼りっきりの、

私達の食卓も少し様変わりしてきました。

当たり前のように扱っていた、ハムが、チーズが、

すごく高くなってきてます。

今年はボージョレ・ヌーヴォーも二倍近く値上がりしています。

今までが、おかしかったのか、

さてこれからどうなって行くのかな?

 

 

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