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帰宅時には雨が降りだし、大きな荷物を乗せて、自転車でヨロヨロ帰宅。
身も心もヘロヘロの私の週末は月曜日。
大きな荷物を降ろして、片付けていた私に、
辞書ラヴァ-の娘が寄ってきて、
「ねぇ今日辞書を引いていたら、面白い言葉を見つけたよ。ゴケブタだって」
耳慣れぬ言葉に「は?」となっている私に
「割れてしまった急須の、
残された蓋のことを後家蓋っていうんだって。
そんなものにも名前が付けられていて。」
「なんだか、かわいい名前だね。後家ぶたって。」
という娘に「普通は、蓋が割れて、本体が残るんだけどなぁ…」と言いかけて、
はっと思い出す。
そういえば浅野屋で使っている紅茶ポットも本体が割れて、
残った蓋が3~4個転がっていて、いつか使う機会もあるかと思っても、
こんなにはいらないな、捨てたらいいな、
と思いながら毎日眺めていることを思い出す。
ああ、やっぱり本体を割るんだよな。
それにしても後家蓋とは…。
後家なんてもう死語ですよね。
ご主人に先だたれて、一人になった女性を指す言葉。
未亡人とも言ったり。
私が子どもの頃にはたまに聞いていた記憶があるけど、
今はその意味も知らない人がほとんどじゃないかな。
私の年代になると周りにもそんな友人も何人かいるのだけど、
誰も後家なんて思ってもいない。
「そんなものにも名前が付けられていて」という娘の言葉に、
忙しかった日々の重荷がさっと解けた気持ちになりました。
週末のコース料理、翌日ランチの大皿料理、
決めたり、作ったりすることも多くて、
何よりも一ヶ月以上に渡って掲載された求人情報誌への対応にぴりぴりしていたこの頃。
とても疲れていました。
後家蓋で娘とひとしきり笑って、
色々なことが一段落したことにほっとした夜でした。
土曜日のコース料理の一部
日曜日の「私の好きなお料理をのせて」のリクエストでお作りした大皿料理
.
先日、すごく忙しかった日の夜。
帰宅して、ラベンダーの精油入り、発泡入浴剤のお風呂に浸かり、
ほっーとしていたら、
ふと、墨ってなんでできているんだ?と不思議に思いだして。
多分、ラベンダーの香りが墨の匂いに似ているような気がして、
連想したんでしょう。
子どもの時から親しんでいた墨だけれど何で、
どうやって作っているんだろう?
そして、紫式部はあんなに膨大な字を書いているけど、
どうやって十二単で、墨を摺っていたんだ?と思いだして。
先日、紫式部の硯が見つかったことがニュースにもなっていましたね。
疲れて、ヘロヘロだったけど、お風呂から上がって、
さっそく、墨は何でできているのか調べて見ました。
墨は松やに等を燃やして、煤を集め、
動物の骨や皮を燃やして作る膠を混ぜて、
紙に固着できるようにしたもののようです。
膠が臭いので、香料も入れるようで、
昔はラベンダーはなかったろうけど、
同じシソ等の香りものを入れていたのかも…。
と、ここまでは推測できました。
ユーチューブでも墨の製造工程を見ることができ、
たくさんの灯明から煤を採取しているのは神聖な雰囲気でした。
今でも、ほとんどが手作業です。
でも、十二単で、どうやって墨を摺っていたのか?
シェフはアームカバーのようなものが、あったのでは?と。
そんなばかな。とは言ったものの、疑問です。
翌朝、娘にも聞いてみると、即答で「たすきだよ!」と。
なるほど、たすきか。
そして、今よりもずっと薄かった十二単の話し等も
教えてくれました。
そうはいっても、大量の墨を摺るのは、やはり黒い衣を着た、
お付きの人の仕事だったのかなぁ、なんて思ったり。
大量の墨を摺ると、書く頃には手もヘロヘロだよな、
と思ったり。
男性は黒い衣だからいいのかな?
袖に付いている紐を引くのかな?とか。
色んな疑問が湧いて来ました。
それにしても、不思議ですね。記憶のどこかにしまわれていて、
ラベンダーのお風呂に浸かっていたら、墨を思い出すなんて。
実家の書道教室の墨の清々しい匂いを思いだしました。
浅野屋の看板の文字は亡き私の父が、
特別に書いてくれたものです。
。
大勢のお客様にご利用いただいたゴールデンウィーク期間の営業も、なんとか終わりました。
最終日の6日の夜はしょぼ降る雨という天気でもあり、さすがに静かでしたが。
この度、浅野屋では皆さんにできるだけ情報発信を、
こまめにできるようにと、インスタグラムを始めました。
https://www.instagram.com/asanoya2024/
今後は今まで通りのブログでの、食生活を通しての浅野屋スタイルの発信と、
インスタグラムでの、発信の両方向で、
皆さんに親しまれる情報提供をさせていただきます。
特にインスタグラムは若いスタッフからの後押しがありました。
思いおこせば、ブログも若い人に勧められ、
訳も分からず始めたところ、10年以上、1060回を超えました。
手と身体を動かすことが好きな私は、できる限り自分の時間の確保のために、
回避していたインスタグラムですが、
とにかく始めることも大事かなと思います。
いつもバタバタの私たちにどこまで、
できるのか、まだまだ試行錯誤中ですが、よろしくお願いします。