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おせち作りで、参考にしている、
料理研究家の荻野恭子さんの新刊本「世界の粉物とスパイス料理」を、
お休みの間にパラパラと読みました。
副題の「荻野恭子のシルクロード・食のぐるり旅」にも引かれました。
私がシルクロードを旅したのは、11~12年くらい前かな?
新疆ウィグル自治区への中国の締め付けがきつくなっていた頃。
中国というには、余りにも無理がある、文化的には全くイスラム圏。
主食は肉まんの皮の部分のパンや麺。雨が少ない彼の地は小麦が主食でした。
その後旅したインドは、ご多分に漏れずお腹を壊し、
多彩な食事にも、余り手をつけられず、悲しい思いをしましたが、
コロナが騒がれ出した時にぎりぎり帰国。
私が現地で見たり、食べたりしたものも多く紹介されていて、
できる限り現地のものに近いレシピを再現されています。
私と同年代の彼女は20代の頃から、
世界中をあまねく旅して、現地の台所で、実地に学んでいます。
その中で、始めは「生地は発酵させるの?
どのくらい置くの?」と質問しても、
「適当」という答えしか帰って来なかったことが書かれています。
彼らは「生地を作ることが目的ではなく、お腹を満たすこと、生きることが目的で、
生地の状態は生活のリズムによって自然に変化して当たり前なのだ」と
気づくまでには長い時間がかかったと。
同時に「あるものでしか食べられない」という
食べ物の大切さを教えてくれたのも遊牧民だったと書いてられます。
固ければ、スープに浸し、やわらかければ、そのまま食べる。
そうしかできない過酷な状況を受け入れ、
生活が成り立っていることを身を持って体験されています。
うってかわり、私達は世界中の食べ物が楽に手に入るようになり、
見たり、食べたりする機会も自由に得られ、バラエティー豊かな食生活を謳歌しています。
昨年末にはスペインの豚肉や生ハムが豚コレラの影響で、
イタリアに続き、輸入禁止になりました。
イタリアの禁止は4年にも渡り、今回も簡単にはいきそうもなく、業界は騒然としています。
お米が不足したり、余ったり、
魚が今まで通り取れなかったり、昆布やノリの不作も深刻です。
それでも食べるものは十分に行き渡っていると言えるのではないでしょうか。
荻野さんは、本の最後で、
「モンゴルを旅した際、人間は自然の摂理に従って生きることが大切だと学びました。
(中略)今は飽食の時代は終わりを迎え、
腹八分目、一汁一菜で生きることを余儀なくされる食糧事情になっています。
欲は捨て、世界の実りは分かち合い、
支えあっていかねばならないと実感しています。」と本を結ばれています。
迫力のある料理写真は、その土地の、そこで住んでる人の生き様を写しているのかのようです。
単なるレシピ本とは一線を画しています。
また、何度も読み返すことができるよい本に出会いました。
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10連休という、心配になるほどのロング休暇も、いよい
よ終わりました。
次女一家も泊まりにぎやかで慌ただしかったけど、
年賀状を書いたり、珍しく散歩をする時間もあり、
さすがにリフレッシュさせていただきました。
シェフも帳簿が終わりやれやれ。
残り二日はもう日常で、仕込み2日と買い物たくさん。
6日に買い出しに行くと、お正月のお役目を終えた、
高級蒲鉾が半額になっているのを発見。
今年、高くて蒲鉾を見送ったんだよね。
すかさず買って、翌日のサラダに投入。
明日から人工関節を入れるために入院する、京都の友人から、
自宅庭のキウイやら、大根やらが送られてきていたので、
サラダのドレッシングがわりに、オリーブオイルと塩とキウイでドレッシングにして、
蒲鉾とゆで卵のサラダの完成。
一緒に食べる七草粥は、七つ揃ったセットではないけれど、
かぶらや大根やそれらの菜っぱやセリを入れて、
今年はしじみの汁で、七草粥を炊いてみました。滋味深く、じんわり美味しい。菜っぱは入れすぎたけど、掻き混ぜればなんとか。
お正月開けのサラダや七草粥は、身体中に染み渡ります。
少し前まで、ネットに「老夫婦がやっているお店」と書かれて、
困惑していましたが、最近では、正真証明の老夫婦を自覚せざるをえず、冗談ではなくなってきた私達。
昨年末にはシェフはついに後期高齢者に突入。
私も後を追いかけています。
今まで通りにできないことも多くなってきました。
でもこの歳まで火の前に立ち、お客様の前に立ち、重いものも持ち、なんとかやっています。
色々と見直しながらの一年になるかと思います。
若い人の助けも大いに助かっています。
今年も二人して、よろよろ営業中。
1月8日ディナーより、浅野屋でお待ちしています。
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いつの間に2025年が終わったのか、年々一年があっという間に過ぎて行きます。
ブログに書きたいことも、多々ありながら、いつもタイムアウト。
今年もきっとぼちぼちだろうけどよろしくお願いします。
昨年、12月25日木曜日から28日までの営業は、怒涛の如く。
営業終了後の29日から、
新年1月4日までは疾風の如く過ぎて行きました。
そんな中で、私の楽しみは毎年のおせち料理作りです。
とにかく、料理にかける時間はあまりにもない。
12月の始めくらいから、ぼちぼち買い物を始め、
時間をやりくりしては、保存できる酢のものや豆などを炊いて、
冷凍してと少しずつやれることをやっています。
でも、ほとんどは29日と30日に作って詰めます。
毎年頭から湯気が出て、かっかしながらの作業。
家族からは、「そんなに怒るなら、やらなくてよい」と言われる始末。
なので今回の目標はイライラしないでした。概ね守れたと思います。
集中して料理に向き合える時間は、大変に幸せな時間とも思われます。
私のこだわりは煮しめの出汁に魚の煮汁を少し加えてコクを出すこと。
毎年鰊を少し干した「ソフト鰊」なるものを買って、
鰊を炊いた汁を加えていますが、今年は業者が倒産したとかで、入手できず。
あー、鰊蕎麦も食べられないのか。
魚を取り巻く状況は年々厳しさを増しています。
代わりになんとか見つけたひらめを煮た、その煮汁を加えた煮しめは、
ゼラチン豊富で、鰊より上品な味わいでした。
煮しめというからには煮て、しめないといけないので、
煮物類は毎年一番始めに作ります。
今年はゆり根の姿煮は諦め、バラバラのゆり根を炊くことで妥協。
イライラしないためにもね。
そのほか、二の重のご馳走は鴨ソテーにはコーラの残骸の、
スパイスの利いたレモンのみじん切りで味付け、
さわらの龍田揚げなども作ります。
料理研究家の荻野恭子さんのポリ袋でおせち料理に出会ってから、
田作りも岩石玉子もポリ袋を振ったり、
揉んだり、蒸したりしながらの時短料理。
私の作りたいを叶えてくれる料理方法。
洗い物も少なくなるし。
小さいながらも三段重を詰めて、
洗い物をするのにも、3時間程を要します。
寝て、荷物詰めて、いざ、実家へ移動。
母にも小さなおせち弁当を持って、
31日夕方には恒例の京都祇園、権兵衛の店前の行列に並んでいました。
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