No.1130 料理本の読書
おせち作りで、参考にしている、
料理研究家の荻野恭子さんの新刊本「世界の粉物とスパイス料理」を、
お休みの間にパラパラと読みました。
副題の「荻野恭子のシルクロード・食のぐるり旅」にも引かれました。
私がシルクロードを旅したのは、11~12年くらい前かな?
新疆ウィグル自治区への中国の締め付けがきつくなっていた頃。
中国というには、余りにも無理がある、文化的には全くイスラム圏。
主食は肉まんの皮の部分のパンや麺。雨が少ない彼の地は小麦が主食でした。
その後旅したインドは、ご多分に漏れずお腹を壊し、
多彩な食事にも、余り手をつけられず、悲しい思いをしましたが、
コロナが騒がれ出した時にぎりぎり帰国。
私が現地で見たり、食べたりしたものも多く紹介されていて、
できる限り現地のものに近いレシピを再現されています。
私と同年代の彼女は20代の頃から、
世界中をあまねく旅して、現地の台所で、実地に学んでいます。
その中で、始めは「生地は発酵させるの?
どのくらい置くの?」と質問しても、
「適当」という答えしか帰って来なかったことが書かれています。
彼らは「生地を作ることが目的ではなく、お腹を満たすこと、生きることが目的で、
生地の状態は生活のリズムによって自然に変化して当たり前なのだ」と
気づくまでには長い時間がかかったと。
同時に「あるものでしか食べられない」という
食べ物の大切さを教えてくれたのも遊牧民だったと書いてられます。
固ければ、スープに浸し、やわらかければ、そのまま食べる。
そうしかできない過酷な状況を受け入れ、
生活が成り立っていることを身を持って体験されています。
うってかわり、私達は世界中の食べ物が楽に手に入るようになり、
見たり、食べたりする機会も自由に得られ、バラエティー豊かな食生活を謳歌しています。
昨年末にはスペインの豚肉や生ハムが豚コレラの影響で、
イタリアに続き、輸入禁止になりました。
イタリアの禁止は4年にも渡り、今回も簡単にはいきそうもなく、業界は騒然としています。
お米が不足したり、余ったり、
魚が今まで通り取れなかったり、昆布やノリの不作も深刻です。
それでも食べるものは十分に行き渡っていると言えるのではないでしょうか。
荻野さんは、本の最後で、
「モンゴルを旅した際、人間は自然の摂理に従って生きることが大切だと学びました。
(中略)今は飽食の時代は終わりを迎え、
腹八分目、一汁一菜で生きることを余儀なくされる食糧事情になっています。
欲は捨て、世界の実りは分かち合い、
支えあっていかねばならないと実感しています。」と本を結ばれています。
迫力のある料理写真は、その土地の、そこで住んでる人の生き様を写しているのかのようです。
単なるレシピ本とは一線を画しています。
また、何度も読み返すことができるよい本に出会いました。
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