パン屋の後、京都市内を東から西へ、
北から南へ移動して、京都駅南の実家へ。
鴨川の河原、二条城前のバス停と、車の中からですが、
まだまだ桜はきれいでした。
御倉屋のお菓子を母たちといっしょに食べて、
一息入れさせてもらい、夕食予定の京極かねよへ向かいます。
実はこの地点で、私はお腹いっぱい。
遅いお昼に立ち寄った、「純喫茶翡翠」のホットケーキが、効いてきました。
原谷苑の後に、御倉屋からはちはちへ向かう経路に、
娘が毎年買っている「純喫茶カレンダー」に載っていたお店を発見。
古ぼけた外観で、カレンダーのことを思い出さなければ、
入るのが、ためらわられるような店でした。

シーンとした店内に、一人また一人と結構なお客様がいらっしゃいます。
お腹がすいたというシェフは「ハンバーグカレー」を食べて、
「美味しい」と言っていて、笑えました。
私が頼んだホットケーキは「お時間をいただきます」と言われただけあって、
袋を開けて、粉を計量。20分超かかってましたが、
どーんとこのボリューム。そして中々美人さんです。
その他のドリンク類も、おいしく、昔ながらの何でもありのメニューと
クラシカルな店内に、カレンダーを買って眺めていた娘も大喜び。
翡翠と同じように、「京極かねよ」もずっと、寺町六角にありました。
買い物などで、きっとよく通っていただろうけど、
若い時には目にも入らなかった老舗。
そもそも、学生時代に鰻やへ行くという、発想すらなかった。
今回名古屋の友人に教えてもらい、出掛けました。
こちらは、鰻丼の上に卵焼きを載せた「きんし丼」が有名。
運ばれてきた丼からは、卵焼きがはみ出していて、
ビジュアル的にもインパクト大です。
うなぎは炭火の香りがする、さっぱりたれで、
卵の下で、いい具合に蒸されてます。
だし巻きと卵、鰻巻きなど卵と鰻の相性はいいけれど、
この卵はだし巻きではなく、卵焼き。初体験の味のコラボでした。
お手洗いへの通路の奥まったところには
蓋をしたたらいのようなものが置いてあり、水が出ています。
お客様が入る前にここで鰻の処理をされるのでしょう。
鰻を取り巻く環境は、近年大きく変化しています。
お商売はやりにくいだろうな、と勝手に思います。
それでも、以前と変わらず、京極かねよの名前で同じメニューを
出し続けられることはすごいなと思います。
浅野屋でも、入ってくる、肉や魚の状態は日によって、様々。
パン粉問題も全解決とはならないし、キャベツやトマトもその日その日で全く違います。
それでもできるだけコンディションを整え、
いつもの味をお出し出来るよう、一定の水準を保てるからこそ、
お客様が来てくださるのだと思います。
「純喫茶翡翠」、「京極かねよ」さん。
京都の町に溶けこんだ老舗ののれんは、
今日もまた、常連さんも一見さんも、
分け隔てなく出迎えて下さることでしょう。
突き立てごまの「ごまのふかほり」にも立ち寄り、
行きたい所、食べたいものを全部回ると、日帰りながら、ディープな京都旅。
美しいもの、美味しいものに触れて、
五感が刺激され、春を満喫させてもらった1日でした。