文化・芸術

2026年7月 8日 (水)

No.1139 ダイナミックとセンシティブ ~書家 渡辺裕子さん~

お客様で、書家の渡辺裕子さん。

作品はインスタグラムでしか拝見したことがないけれど、

いつもカッコイイなぁ、素敵だなと思ってました。

京都で、個展を開かれると知り、

ちょうど日程もよかったので、お伺いできました。

会場は繁華街の三条寺町にある同時代ギャラリー。

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もうすぐ築100年になる、旧・毎日新聞社京都支社の建物が、

そのままギャラリーとなっています。

ご本人はお酒とおいしいものが大好きで

エネルギッシュそのもの。

そのままに、パリやニューヨークなど世界に飛びだし、

書のライブパフォーマンスをされています。

漢字一文字の一字書というのも、分かりやすいと私は思っています。

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今回は、最終日にライブパフォーマンスがあった、立体書というユニークな試みも迫力があります。

折りたたみ式の箱のようなものの平面に自在に書き、それを積み上げたり、横にひろげたりすると立体作品になります。


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実物を見て、飛び込んでくるのはダイナミックな動き。

でもその一言では済まされない、作品の気配を感じます。

はかないような、すごく繊細な雰囲気がにじみ出ています。

ご本人のお話しもお聞きして、よく見てみると、

これはペンで書いたのでは?と思うような、

細やかな、細い文字の連なりが、そこここにある作品がいくつもあります。

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また、にじみからくる、微妙な余白などもすごく繊細。

私のボキャブラリーでは、説明不可ね。

足を運んで実物を見てこそ、感じる作品世界に魅了された作品展でした。

心豊かな時間を過ごさせていただきました。

渡辺裕子さん、これからも存分にご活躍くださいね。

作品 「風」  

「風という文字が好きで、いくつ書いたやら」とご本人。

風の文字の起こりもお話しいただきました。

作品には鈴鹿墨、新城硯、豊橋筆、美濃和紙など、

東海地方の伝統品を積極的に使われているそうです。

窓や床材に100年の歳月を感じる展示空間

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2026年5月29日 (金)

No.1137 Bags&riRngs 山本富章氏のこと

その訃報は土曜日の午後に入ってきた。

亡くなったのは、シェフの高校時代からの60年ものお付き合いがある先輩。

いや友人かな?

一学年600人以上の戦後ベビーブームのさなか世代の高校で、

美術部だった友人たちが今もお付き合いがあり、

会えば、いまだに当時のニックネームです呼び合い、

楽しげに話しをしている様子は、見ていてほほえましく思っています。

その中でも特に親交の深かった愛知県立芸大で美術の教員を長年勤められた、

芸術家 山本富章氏の訃報でした。

平面を飛び越え、大掛かりな立体作品を次々発表され、

後年は木製洗濯挟みに細かくドットを施し、

リング型や平面や色々な展開を見せていただきました。

一つ一つの細かな、気が遠くなるような作業をつなげて、

大きな作品を展開されていました。

作品の熱量と完成度の高さに、圧倒された大きな展覧会は、

2021年の豊田市立美術館で。その頃は酷使した手が手術の必要がある中での展示。

文字通り命を削っての仕事だったのだと、今思い返します。

昨年ご家族でお食事にいらして、

息子さんと赤ワインを一本空けていかれたのが、最後にお会いした時かな?

絵と赤ワインが大好きな富章さん。

葬儀会場に数々飾られた作品の中に、うちの店のために描いてくれた皿の元絵があったと、

シェフから聞いていました。

数日後に息子さんのインスタグラムに

お父様の訃報と共にYouTubeの動画の紹介がありました。

よろしければリンクを張ったのでご覧ください。

山本富章展「Bugs and Rings」

Shop at Temu

そこにも皿の絵が出てきたので驚いています。

自然の中に生かされている人間を見つめ描き続けていたのかな?

手の指一本づつのサポーターが痛々しく写る中、

ご自分の作品を語られる時にふっと見せられる笑みに、

本当に絵画表現がお好きだったのだと、こちらも笑顔になりました。

特注の皿は高校美術部で一緒だった山本氏が描き、

これまた陶芸会社にいた美術部先輩が制作してくれ、

その頃私たちがやっていたフランス料理店で使わせてもらいました。

美術部つながりの、ここだけの一枚。

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下絵を持ち込んでいただいて、三人であれこれ楽しげに選び、

試作も色々して完成しました。赤バージョンと青バージョンのカッコイイ皿。

それから、うちの自宅の階段を上がったところには富章さんの20代の頃の油絵が、

ずっと飾ってあって、うちには当たり前の景色。

窓辺で保存には適さないけど、ここにあってほしい一枚です。

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シェフが、山本氏の初めの頃の個展の時に

「この絵が好きです。譲ってもらえませんか?」と言って、

申し訳ない程の少額な金額で譲ってもらったのだと言っています。

思い出が尽きない山本富章さん。

真面目でとても厳しい先輩だったと言ってますが、

長いお付き合いになりました。

お亡くなりになりましたが、作品が残りました。

これからも作品でお会いさせていただきます。

 

 

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2025年3月 5日 (水)

No.1101 横山美術館

東区葵にある横山美術館で開かれている

「近代.現代 陶磁の技巧絶美」展を見る。

きっかけは、ふとしたことで知り合ったご近所にお住まいの方が、

「絵はお好きですか?」と声をかけて下さり、

「好きですよ」と答えると、

「私のおじいさんが書いた絵が、たくさん出るので、

ぜひ見に行って下さい」とすぐに招待券を届けて下さいました。

そんなわけで、市ノ木慶治氏のことを知る。(サイン名シノキケイジ)

明治生まれの画工、市ノ木慶治氏は

輸出用のたくさんの絵皿やツボに、

初めて個人名のサインを許された方とのこと。

画工と呼ばれる職業の方の技術指導所を、ノリタケの前身日本陶器合名会社が作り、

全国の窯元から勉学に人々が名古屋の地に集まっていたことなど

初めて知ることばかりでした。

バラの市ノ木と呼ばれた飾り皿はバラのモチーフを得意とした市ノ木氏の代表作。

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ふわりとした質感が折り重なり、ボリュームがあり、奥行きを感じさせられる作品群です。

戦中、戦後も絵筆を取り続けられたモチーフは、バラのみならず色々な物がありました。

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お孫さんにあたるご近所さんは、大酒飲みでありながら、

穏やかで、いつも絵筆を取って創作されていたおじいさんの姿を、

懐かしそうに話され、ぜひ皆さんに見ていただきたいとのこと。

初めて訪れた横山美術館でしたが、

海外から里帰りした陶磁器の珍しいコレクションが、

わかりやすい解説と共に展示されていて、休日の午後を心豊かに過ごさせていただきました。

招待券があります。会期も4月13日までと長いので、

ご興味のある方はぜひお声をかけて下さい。

写真OKだったので、数点ご紹介させていただきますね。

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2018年3月16日 (金)

No.685  目から鱗の「メキシこけし」展

新聞に紹介されていた「メキシこけし展」を見て来ました。

聞き慣れぬ「メキシこけし」とはなんぞや?

東北の伝統こけしの木地をメキシコの職人さんや作家さんが絵付けすると、

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てな具合になり、まさに目から鱗でした。

写真は「メキシコのサザエさん一家」とは会場の案内の女性の言葉。

日本のこけし作家さんも負けてはいません。

メキシコをイメージして作ってもらったというのはこちら。

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基本は伝統的なこけしのシルエットがこんなにイメチェン。

この展覧会、メキシコ観光局の職員の日本人女性が、

東日本大震災の影響で観光客が減り、

販路に困っているこけしの工人さんたちの支援と

メキシコ文化の発信をと考えられたのが始まりだそうです。

とはいえ、伝統のもの作りをされている工人さんたちに

趣旨を説明するのは大変だったのでは? 

また、メキシコの職人さんや作家さんを回り、

説明して作品にしてもらうのもこれまた、大変だったのでは?とお察しします。

会場はそんな私の想像とは裏腹に

ラテンの陽気なパワー溢れるたくさんのこけしや、民族人形でとてもにぎやか。

私も元気をもらいました。

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絵付けあり、ビーズ作品あり、糸のこけしもあり、陶器もありました。

大胆だけれど、とても繊細な絵柄、

それぞれに伝統とユーモアと温かい心を感じました。

昔はどこのおうちにも茶の間の茶箪笥に1個は乗っていたこけしも、

すっかり見かけなくなっています。

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でも、ちょっと発想を変えると、こんなにポップになりました。

このちょっと発想をずらすことができる人を、私はとっても素敵と思えます。

見慣れた日常もきっとキラキラさせることができる方なんだろうな、と。 

こけし文化の再発見。かわいい!

日本とメキシコ地震の被災地の寄付になるということで、私も1体購入しました。

81歳の日本おばちゃん作のかわいいこけしに胸キュン!

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2016年6月30日 (木)

NO.519 熱狂!イエモンライブ

行ってきました、イエローモンキー スーパー ジャパンツアー 

名古屋公演。

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復活ライブ最高でした。3時間たちっぱなしでずっと歌っていて、

最後は声もかれ(私がですよ)、履いてたサンダルも壊れました。

メンバー全員が50歳前後だけれど、全24曲、ステージは全開でした。

会場のノリも、休止期間16年分のマグマが噴出したような熱気でした。

色々な時を経て、色々な経験を経て、歌われた「球根」では、

涙があふれました。

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会場に向かって「ありがとう」を言うロビン(吉井和哉のニックネーム)に、

私も何度も「ありがとうロビン」を言いました。

  「許されない 誰にも 喜ばれない

   おまえが咲くならば僕は穴掘ろう」
   
  「世界はコナゴナになった

    でも希望の水を僕はまいて」

       「土の中で待て 命の球根よ

   魂にさあ根を増やして

    咲け   花」        吉井和哉 「球根」

30日からの、浅野屋開店17周年フェアがんばります。

そして、いつもご利用して下さってた、

お客様のKさん、転勤になり、最後にいらした時に

お祝いのお花をいただきました。

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いつも楽しい会話をありがとう。

去る人あれば、来る人もあり。

私も浅野屋も色々な時を経て、なんとかやっています。

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2015年8月30日 (日)

No.436 アメリアボサノバライブディナー

ご案内していた2ndCD発売記念のアメリアボサノバライブディナーですが、

CDの発売に先立ち、浅野屋にCDの音源が到着しました。

よりシックに大人の歌声満載。日本語の歌も入っていて、聞きやすいです。

ショーローの名曲、チコチコ ノ フーバが途中日本語になってたりと、

遊び心もにくい仕掛けになってます。

ファーストCDでは、あのヒョッコリひょうたん島を、

ポルトガル語でボサノバにしちゃった、アメリアですが、

今回は皆さんご存知のカエルの歌が聞こえてくるよ、がボサノバに変身。

中々素敵です。

さて、これらの曲を中心に9月14日(月)7時から、浅野屋でライブディナー。

大阪からレコーディングメンバーが集まってくれ、

今回は、ギター、エレキピアノ、ベースというバックメンバーでお送りします。

本場、リオの風をあなたに。

身近に音楽を、身近にライブを、

ボサノバは初めてという方もアメリアの歌声とピアニストのトークで

お気軽に音楽をお楽しみいただけます。

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もちろん、浅野屋のおいしいお料理とワンドリンクつき、

ライブチャージ込みで、お一人様、6000円です。

残り座席がわずかになって来ました。ご予約はお早めに。

なお、ただいま、ランチ、ディナーの開始から、

2時間くらいはアメリアのCDを2枚続けて流しています。

優しく、時にユーモラスな歌声が店内に響いていますよ。



2014年11月27日 (木)

NO.351息を合わせる

お休みの今日、栄の宗次ホールで開かれたチェロコンサートに出かける。

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お店をご利用頂いている県立芸大の天野武子先生が出演されるコンサートは、

新聞で知りました。

先生の豪放でそれでいて包み込むような優しいお人柄に触れ、

いつか演奏を聞いてみたいと思っていました。来ました! 水曜、夜。

しかも行き易い栄で!

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「深く、温かく、円熟のチェロトリオ 3人のチェリスト」と名付けられた演奏会は、

ドイツから、ユルン ヤーコブ ティム氏(私は初めて知ったのだけど) を、

招かれた一連の演奏会の最後の会で、

満席の宗次ホールはアンコールの拍手が切れませんでした。


私の大好きな楽器、チェロを間近で、3人もの合奏、

またピアノも合わせて4人の合奏で聞き、息のあった演奏に感激。


音の始まりを、どういうふうにして、息を合わせるんだろう、いつもドキドキする。

でも、ピタッと息が合い、流れる演奏。そして音の終わり、いつもドキドキする。

どこまで音が残るんだろう。

ここでも、演奏家の方と、そして自分との息が合った時ホッとする。

私達の仕事も毎日の生活も色んなことが息が合い、

奇跡的に成り立っているんだろうなと思う。


豊かな時間を過ごさせてもらい、ホールに出ると、

出演の方々がロビーで皆さんにご挨拶されていました。

私も天野先生にご挨拶して、ちゃっかりティム氏とも握手しちゃいました。

大きな温かい手でした。



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2012年5月11日 (金)

心落ち着く古いもの

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店のオープン時には、建築家の倉橋光明氏から、色々な提案をしていただきました。

そのひとつが、店内正面の金色に輝く壁。

実はこの壁は約100年前の西陣の丸帯です。

金地に松なので、おめでたい席で絞められたであろう、立派な帯は背山が擦り切れて、帯としての寿命は終わっていました。

本山の「蝉丸」で、この帯を見つけ、表具やさんの丁寧な仕事で、見事な壁ができました。

枠になっている部分は、私の祖母が使っていた帯。思い出あるものが、こんなところで蘇り、感激です。

風薫る5月。店のオープン準備をしながら、あちこちの骨董屋さんを回ったのは、楽しい思い出です。

骨董は高いものというイメージはくつがえされ、気軽にはいれる店も増え、日常使いできる、心落ち着くものを色々見つけることができました。

トイレ内の棚として使っている茶だんすは、大須の骨董市で。なんとか乗用車に積み込み、トイレに置いてみると、ぴったり!

また、「営業中」、「準備中」の看板は、タンスを買いにいった店が店を畳むと言うので、その店が使っていたものを無理に買ってきたものです。

なかなか味があり気にいってます。お値段交渉も骨董の楽しみのひとつ。

ほかにも、灰が入ったまま売られていた銅製の火鉢はワインクーラーに(暖から冷に! )など意外な活用法も楽しみです。

その後、色々な町で見つけると、つい入ってしまいたくなるのが、骨董屋さんです。

大須の骨董市は毎月18日と28日大須観音境内で。 お勧めのお店は、吹上のアンティークマーケット内の「楽天」です。

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2012年2月16日 (木)

書家越川晏​僲さん宅訪問

店がお休みの今日、女流書法家の越川晏僲さん宅のお仕事場を訪問させていただきました。

お客様の越川先生とは、店内入口の私の父の書、「無礙道」の額の字がとりもつご縁でした。

書の歴史や字の成立ちなど、中国の歴史を踏まえてのお話。

日中両国で前人未踏のご活躍をされてきた先生の博識ぶりに、圧倒されるばかりです。

派閥や会派は大嫌い、私は私の道を行くと言われるが、興味をもたれたことは謙虚に教えを請い、徹底的に向き会われる姿勢に頭が下がります。

そんな先生のエネルギーの源は、とても素直なキラキラした好奇心ではないかと、お話を伺いながら感じました。

とてもチャーミングで敬愛できる、人生の先輩に又一人出会い、元気をもらいました。

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「年老いても、咲きたての薔薇」茨木のり子さんの詩の一節を思い出しました。