旅行・地域

2019年10月 1日 (火)

No.798 瀬戸内への旅 その4

最終日は、大原美術館をゆっくり堪能。

間近で見るセザンヌやピカソの絵。

それは写真で見るのとは全く別物でした。

タッチにしても、線が長い、短い、荒々しい、繊細等々。

また、教科書で知っていた麗子像の岸田劉生や青木繁の他にも、

美術館の収蔵品を収集した児島虎次郎等のたくさんの優れた日本の画家の作品を知り、

連面と続いて来た絵画の歴史の重みに触れることもできたのは、私にとっては収穫でした。

さて残った時間もわずか。

岡山に行ったらどうしても訪れたかった吉備津神社が旅の締めくくりです。

1390年に建てられた、本殿は全国でもここだけという「比翼入母屋造り」は国宝です。

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私が見たかったのは、全長360メートルの廻廊。

1579年、再建当時のままの姿をとどめる、

自然の地形を活かした一直線の本殿に続く廻廊は、きれいに手入れされて残っています。

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大原美術館で見たエル グレコの「受胎告知」の絵とほぼ同じ時代に東洋の片隅で、

同じように祈りを捧げる建物が作られていたことは、

偶然とはいえ、私が、ここに来たかったこととは無関係ではない気持ちがしました。

 

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2019年9月30日 (月)

No.797 瀬戸内への旅 その3

名だたる観光地でありながら、なぜか来たことがなかった倉敷。

川沿いの美観地区は美しい景観が川もに映り、

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映画のセットのよう。観光客で溢れていて、

かつては綿花の積み降ろしで栄えた船着き場は観光船の、

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実際に使われていた土蔵はお土産やになっているけれど、

一歩入れば、静かな暮らしの町並みでした。

Dsc_0106大原美術館の工芸、民藝館 米蔵を芹沢けい介がリメイク


紡績で栄えた町は他にも、備前焼や倉敷ガラス、

畳や畳のヘリ、ジーンズ、帆布製品、マスキングテープなど、

手作りを刺激するおみやげがいっぱいでした。

古いホウキ店では、今時見かけない、国産しゅろホウキや竹かご、竹でできた虫かごなど、

一昔前価格で売られていてびっくり。鍋しきを120円で購入。

夜に再び訪れると、美観地区の入り口を一匹のコウモリが飛び回っていました。

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.夜の大原美術館

2019年9月29日 (日)

No.796 瀬戸内への旅 その2

二日目は、トーテムポールのような作品が立つ高松港で、船の発着を見ながら、

行けなかった直島に思いを馳せる。

2本のポールのおかげで港の景色が一変したんじゃないかな。

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四国の玄関口は元気いっぱいでした。

ホテルを後に、一路、Mさんお勧めの讃岐うどんを目指して、到着。

ギリギリ行列ができる前の11時20分。田舎の細い道を次々と車が曲がって行きます。

全くの民家。外でもみんな食べている。うどん県の熱気にシェフも興奮。

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何でも100円の具材をモリモリにして、もはや何か分からなくなったシェフの丼。

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前のお兄さんはネギだけを載せたうどんをひたすらすすっていました。

常連の方のようでした。

うどんに満足した後は晴天の瀬戸大橋を渡り、倉敷へ。

途中のサービスエリアでは瀬戸内海の景色を堪能することができました。

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まるで絵ハガキのような風景。良い天気に恵まれました。

 

2019年9月28日 (土)

No.795 瀬戸内への旅 その1

長らくお休みをいただきました。

9月28日(土)ディナーより通常営業をいたします。

お休みを利用して、2泊3日で瀬戸内海方面へ旅行に行きました。

今年は瀬戸内国際芸術祭の開催年にあたり、なかなか機会がなかった瀬戸芸へ行こう! 

直島の銭湯(実際に営業している銭湯でもあり、作品でもある)へ行こう!ということで、

家族で盛り上がっていましたが、直前にシェフが夏の疲れで体調を崩し、

旅行そのものも危ぶまれるということに。なんとか回復してきたので、

旅程を変更して船で直島に渡ることを断念して(銭湯は諦め)無理なく、

知人を訪ねて高松と、橋を渡り倉敷と、最後に由緒ある古い神社の吉備津神社を訪ねることにしました。

3日間とも暑いほどの晴天に恵まれ、楽しい旅を満喫させてもらいました。

1日目は、以前浅野屋で働いてくれていた高松在住のMさんに会い、Mさんのお子さんもご一緒に屋島の四国村へ。

ここが思ったより広く、自然の地形を生かした中に四国中から集められた古民家や作業場などが点在。

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入り口にある「かずら橋」、実際に使われていた橋です。左下にはアート作品。

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アップダウンを繰り返す、広い園内にそれぞれの建物にヒントを得た、

瀬戸内芸術祭の作品が展示されていて、おもしろく、そしてはー、はー、なりながら回りました。

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農村歌舞伎舞台では、芸術祭参加の公演があるそうです。

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風鈴も作品です。

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東京藝大とシカゴ芸大とのアートプロジェクト作品。

いろいろ盛沢山でした。

夜はMさん一家との再会を期して一杯。というところですが、

シェフは禁酒中でノンアルコールで乾杯。

高松の夜は名残惜しく更けました。

 

2016年9月26日 (月)

NO. 547霧の比叡山延暦寺

日本列島に台風が近づいていた先週の3連休の最中。

店は通常営業で、シェフやスタッフの皆様にご迷惑をおかけしましたが、

私はお休みをいただき、

京都親鸞聖人のご旧跡の旅に行って来ました。

浄土真宗の開祖、親鸞聖人がお生まれになったのは、1173年、

今から約800年前の平安時代末期です。

お生まれは京都伏見の日野の里。

比叡山でのご修業の後、新潟や関東にも住まわれ、

晩年はまた京都に戻られたので、ゆかりの土地もたくさんあります。

スタートは、今なお、田舎の風情を残す、伏見区日野の国宝、法界寺。

ご生家の菩提寺でもあり、

親鸞様が朝な夕な拝まれた阿弥陀如来像も、

伽藍も800年前の創建当時のままに残っているんです。

観光客が絶えない京都市内にあって、ひっそりと佇み、

穴場中の穴場。

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時空を超えた一体感を堪能させていただきました。

翌日は、あいにくの雨でしたが、霧に煙る比叡山延暦寺へ。

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大雨は免れ、霧雨にすっぽり覆われた比叡のお山も良いものでした。

伝教大師最澄が燈した1200年間不滅の法灯がある根本中堂を皮切りに、

親鸞様ゆかりの西搭、横川へも足を延ばしました。

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が、ここで、営業のメールが。ランチに7人で行きますとのこと。

さらにもう一件、ディナーにお弁当10数個の注文メールにも気づき、

さあ大変。すぐに店に電話するも、電波は途切れ、途切れ。

なにせdocomoは圏外。私のガラケーは頑張ったけど、

あっという間に電池残量が1に。

みんなに遅れないように歩きながら、なんとか連絡が取れた頃には、

楽しみにしていた常行三昧堂の見学はすっかり終わってました。

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聖域比叡山にも下界の侵入。なかなか完全オフにはならないものです。

それでも最後の横川にお参りして、

市内のど真ん中、六角堂のお参りをして、無事に旅が終わりました

六角堂は、比叡山での修業に行詰まっていた親鸞様が100日間、

お山から参籠されて、聖徳太子のお考えを尋ねられた場所です。

その答えは、20年にも及ぶお山の修業を捨て、

山を下りて法然聖人の念仏の道に入るという、180度方向転換の

大変、重い決断をされたところです。

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今も大勢の参拝客が絶えないけれど、

800年前の聖人の決断に思い巡らしながらの旅の最後でした。

雨足の強くなった、京都を後に、もちろん、店のディナー営業に合流。

あっという間の2日か間でした。



2016年7月16日 (土)

NO.523 おまけのおいでやす京都 その2

父の一周忌で京都の実家に帰ったついでに見た祇園祭の鉾。

翌日はさらにおまけで、美味しいものを求めて、

七条から四条エリアをウロウロ。

最初に、しばらくご無沙汰だったうちだ漬物へ。

駅やデパ地下に出ていない、

うちだ漬物は、錦小路店は比較的行き易いものの、

五条通りを少し下がり、大宮通りを少し西に入った本店は、

ほんとにこの道で良いのかと思うようなところにあります。

ここのキュウリのしば漬け「京の里」はずっと食べ慣れた味。

よく圧されたキュウリに茄子やみょうが、しょうが、ししとうなどが、

バランスよく入っていて、味もしば漬けのすっぱさではない、

色もしば漬けの赤ではない、しば漬けらしくないしば漬け。

いつ食べても大好きな味です。

色んなお漬物が並ぶ中、「京の里」を購入。

次にフルーツサンドのヤオイソか、

おかずパンのまるき製パンか迷ったけれど、

季節柄、フルーツサンドはパスして、五条通りを上がり、

松原を少し入ったまるき製パンへ。細い道に面した店は、

夕方にも係わらず、コロッケやヤキソバやハムカツが、

あふれるキャベツと共にコッペパンからはみ出し、

ところ狭し並んでいるけれど、次々と売れて行きます。

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フカフカのコッペパンに昔ながらの手作りお惣菜。

もちろん、あんこやクリームも優しい味わいです。

みんなの懐かしい味を、私もたくさん買って、保冷バッグで持ち帰りました。

迷ったけれど、もう一軒。四条大宮をもう少し東へ、

醒ヶ井という細い通りの角にある、和菓子の亀屋良長へ。

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烏羽玉(うばたま)という黒砂糖の上品なお菓子で有名ですが

ここの女性パティシエが作る和テイストの洋菓子が美味しいことを

最近、発見。

お干菓子もセンスが若くて、お菓子がみんなかわいく、

どれにするか迷います。

ここも祇園祭限定のお菓子やらで、ショーケースが賑わっていました。

このあたりから、四条通りを東向きに見るともう鉾やら、

山やらが見え隠れして、町がすっかり華やいでいました。

最後に五条と七条の間の西本願寺門前町にある本願寺伝道院を

見て帰りました。

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明治以降活躍した伊東忠太の設計の建物は異色で、

いきなり出会うとびっくりするけど、今ではすっかり町に溶け込んでいます。

建物のまわりぐるっと、動物のような彫像が取り囲んでいて、

これも重要文化財とのことでした。

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おまけがたくさんの京都一泊でした。



2015年6月14日 (日)

No.411 梅雨の晴れ間に、蛍狩り

先日の水曜日、店の定休日はジャスト梅雨の晴れ間。

バスツアーの蛍狩りを、長女と2人で申し込みしてました。

集合はバスツアーには珍しい午後2時。朝寝坊の私たちにはピッタリです。

名古屋駅に集合してから、岐阜の大垣、奥の細道結びの地記念館などを見学して、

滋賀県米原の醒ヶ井まで、すぐでした。

醒ヶ井は大和タケルノミコの大蛇伝説のある、

水が美味しいことで知られる場所です。

平成水100選では、見事、1位になったというお水は、なるほど、超軟水、

まろやかで飲み飽きしないお水でした。

JR醒ヶ井駅からすぐの中山道沿いに流れる地蔵川。

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街道沿いのこの川は水の中に咲く梅花藻というかわいい花が有名です。

鈴鹿山系の北端、霊仙山が目前に迫り、バスを降りた途端に山の匂い、

とても清々しい雰囲気です。風情のある町並みを地蔵川に沿って歩き、

可愛い梅花藻を堪能しました。

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見ごろはこれから、まだ3分咲きぐらいだったのかな。

でも川の流れに夕日がキラキラと当たる中、白くて、小さい花がゆらゆらして、

心休まるひと時でした。

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事前にチェックしていた「しょうゆプリン」は想像以上の美味しさ。

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綺麗に暮らしていらっしゃっる町の方々にも感心させられました。

都会の喧騒を離れ、別の時間が流れているように感じました。
  
夕食の後、暗くなるまで、地元の蛍博士から講義を受け、

彼のご案内で、地元の人も中々知らないという穴場へ連れて行ってもらいました。

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ホタル見物は真っ暗な中、バスの明かりがまぶしい。

天の川という川べりにポッポとゲンジ蛍の灯が燈り初め、

初めは目を凝らして探してましたが、

そのうち、あちらからも、こちらからも、つー、つー、と、

蛍の白い光が現れ始めました。

真っ暗闇の中から白くて細い光が現れては、消え、

現れては消えする眺めは幽玄という言葉がピッタリな眺めです。

みんな静かに、でもうわー、うわーと言いながら、

あっという間に時間が過ぎて行きました。もっと見ていたいけれど、帰りの時間。

蛍博士から聞いた、蛍の光には温度がない、

0度、冷光発光という話を不思議に思いながら、帰路に着きました。

およそ生き物で、発熱なく、発光するものは他にはないとのこと。

えぇ?、発熱のない求愛行為なんてあるんかいな?

そんな生き物がいるなんて、信じられんな、とますます神秘的な蛍でした。 

 娘が「お母さん、ツキヨタケとかも、冷光発光かな」と言っていたら、

次の日の新聞に、森の中で静かに光るキノコの写真が載っていてびっくりです。

やはり冷光発光とのこと。発熱なく求愛行為をする蛍は、

意外にクールなヤツでした。


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2014年9月18日 (木)

No.318 おいしい東京街歩き  番外編

東京へ行くといつも商店街に活気があり驚かされます。


今回は成城、荻窪周辺、目黒、麹町、新橋と歩きましたが、

古くからの商店街の中に新しい、若い人の店も交ざっていて面白いです。 

名古屋は本当に車の街。お店選びのポイントは、駐車場のある、無しで、

結局は画一的なショッピングモールばかりが増えています。


さて、今回紹介しきれなかった写真を追加しますね。

私のベスト・ショット、東京駅のビュー・スポット「KITTE」ビルの屋上庭園にて、

私の目の前に和服姿の方々が座られました。

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雑多な雰囲気の西荻窪の街

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昭和を感じる新橋の裏路地

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どうみても変わっている、生ハム専門店「サルメリア69」の店内

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ライトアップされた東京駅、本年12月20日、開業100周年!

なんとシェフも同じ誕生日。

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東京おいしい街歩き、長らくお付き合いいただき、ありがとうございました。

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2014年9月12日 (金)

No.314 突き抜けるおいしさ  東京おいしい街歩き 1

9月8日、9日の2日間、店の連休を利用して、

東京へ食べ歩きにシェフと私と2 人で行ってきました。

念入りな下調べと、

ほんの少しの勘でおいしくて濃密な2日間を過ごすことができました。


1日目、東京駅に着き、はじめに向かった先は、

成城学園駅前から徒歩15分の  "サルメリア69"。


いきなり脳内パンチをくらいました。 "おいしい" の一言では片付かない味。

ハムからは熟成したシエリー酒のような香りがして、

口に含むと空気をまとったようなハムはクリーミーで濃厚な味わい。

長く続く余韻。濃厚なのに食後のさっぱり感がある突き抜けたおいしさでした。

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残念ながらTAKE OUT専門店。

他のお客様はお皿を持参して、"このお皿にいつものように" とオーダーされてました

キャー。 私達は用意した保冷パックにイタリア、パルマの24ヶ月熟成ハムなど数種類と

ハムに合う微発泡の赤ワインを購入してお店を後にしました。


それにしても、この店、どう見てもハム屋に見えないんだけど。

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帰り道、所々に小さな畑も残る、閑静な住宅街を歩きながらシエフが独り言。

「なんでこんなに美味しいんだ」 あまりのおいしさ、

そして意表をつく店構えに驚いたようです。

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電車を乗り継ぎ、次に向かったのは、西荻窪。

夕食までの数時間、古本屋やアーティスティックなお店の集まる、

西荻窪の街を探索です。

西荻窪は迷路のように商店街が入り組んでいて色々なお店がぎっしり。

 昼食は十割り蕎麦の「鞍馬」で軽く済ませ、私のお目当ての古本屋へ。

楽しい時間でした。


歩き疲れたので、休憩にコーヒー店「ダンテ」に入りました。

路地裏にひっそりと見過ごしてしまいそうな小さな店。実は鞍馬へ行く時チェック!

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久々にサイフォンで入れた美味しいコーヒーをいただきました。

サイフォンなんて何年ぶりに見ただろう。

何十年前からお店があるのか、レトロで凝った店内は、居心地よく、

一息つかせてもらいました。

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ダンテのコーヒーで復活。目指すは行列必至の荻窪の「トマト」。

雑誌DANCYUで欧風カレーの専門店として詳しく紹介されて以来、

シェフが行きたがってた店です。

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2013年8月17日 (土)

シルクロード写真No.8 ギジル千佛洞

ギジルへは、早朝からビニール袋にトマトや茹で卵を入れてもらい出発。

途中、バスを停めて買ってもらった、できたて、アツアツの素朴な、ナンに心から感謝。

旅行中の心に残る食事となりました。

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何層にもなったギジル千佛洞

壁画は保存状態が比較的良く、

東西文化がまさに交ざりあった様子が写されていました。

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鳩摩羅汁像

「阿弥陀経」の翻訳でおなじみ、クマラジュはクチャ出身の高僧。

美男子だったという鳩摩羅汁像の前では中国人観光客も写真を撮ってました。

なんと紀元300年頃インドへ渡り、経典の翻訳を数多くされています。

ちなみに、有名な玄奘三蔵が活躍されたのは、600年代、唐の時代です。

このお二人が訳された経典は、今も現役バリバリです。

荒々しい自然の中をバスが行く。

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本当に信じられない。三蔵法師は馬でここを超えたのかと。

熱中症で倒れる人もでた、帰り道、

荒野の真ん中でバスの冷却ホースがはずれるというアクシデントが。

復旧して、空港までたどり着けるのか、ハラハラドキドキの約30分。

みんなの協力でなんとかなりました。

翌朝5時45分起床。

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ウルムチ離陸は午前10時半、関空到着が夜9時半。

本当に遠かったです。

シルクロード写真にお付き合い下さりありがとうございます。

飛行機とバスでも、結構大変だった今回の旅。

私たちは文明の利器に助けられての旅だけど、

昔の方は、体力、知力、五感をもっともっと働かせ、この道を歩まれたんだと思います。

便利さに慣れ、人間の能力はなまってるなあ、と感じたりしました。

色々な経験をさせていただきました。